93話:反撃の狼煙を上げろ!カインドフォース男性陣完全復帰!!
文字数 4,013文字
エンディア様、ここはエバス宅です。
どうやら俺達にはまだエディールを改心させる事が出来なかった……。それに……
(ハハハ、これがエディール様の深淵なる闇。
この力さえあれば、必ず邪魔者は全員排除可能だ……
もう誰にも止められないぞ!!!)
エバスさんが再び悪に染まってしまった。
ハハハ……、情けないな俺。
カインドフォース男性陣、一等地ヴィバールにあるエバス宅で
ローウェンの悪事を阻止する事に成功する。
しかしながら、突然襲来して来た
かつての友達エディールは再び当主であるエバスに抜け出す事が出来ない ″深淵の闇″を
降り注ぎ、彼等の決死な想いも無駄になってしまい
エバスと共に皆の前から消え失せてしまう……。
良心を取り戻す所か、結局何も出来なかったハディーサは
自責、そして悔しさを感じ、壊された書斎の柱をボコッボコッ と叩き始める。
止めろ、ハディーサ……!!
いつまでも悔やむな。お前らしくないぞ……
エンディア様がローウェンに気絶させられた時、結局
何も出来なかった。スキル所持、体力があったって俺には全て無駄だったんだ。
別にそんな事……。
ハディーサ、お前を信じてるから言ってるんだぞ!
スキルとか体力とかの問題じゃない。忘れちまったのか……?
何がだよ……!!
結果を残さないと意味が無いんだろ?
ちょうどいい……、ここにはローウェンがいる。
まさかエディールの仲間だったとはな……
びっちり取り締まってやる……。
や、止めてくれ……! 俺はもう改心したんだ。
反省もしてる。ハディーサ、お前はそんな奴じゃないだろ……!!
どうしたんだよ!?
うるせえよ。じゃあ何故、エディールの仲間になったんだ?
アイツの闇の虜になった訳じゃないよな?
隠す必要もないから正直に言うけど、確かに初めて会った時
エディールの闇の奥深さに共感を覚えた。ただ、それは……
ローウェン、お前は何も言うな……
これは、リーダーである俺の責任だ。
エンディア様を無視したんだぞ……
その上、ローウェンに盾突いた。俺がカインドフォースにいても
所詮こんな事しか出来ないんだ!
おい、ローウェン……聞かせろ。
俺が気絶している間、ハディーサはどうだった?
一字一句逃さず教えてくれ……!!!
チーム「カインドフォース」男性メンバー、ハディーサ……。同じチーム内でありリーダーのエンディア様が友達であるエディールの
悪事を阻止しようと奮闘するけれど、マイティーダークのボスを務めているせいか
実力は彼等より遥か上――。
ましてやスキル「禍闇」の所持者。
闇を味方にしている以上、勝ち目は無いかもしれない……
ただ、心の何処かでまだ「良」の心があると信じ切っているハディーサは意地でも止めるけれど、
″出来ない″
″どうせ俺なんか……″ と
自分に言い聞かせて痛感していた。その挙句
良心を取り戻したローウェンにも一度はエディールの仲間内だった為
問い詰めてしまう。カインドフォースのメンバーからしたらあるまじき行為……
ただ、エンディアだけは違った……
ローウェン、エバスの家内であるニリアは
現在のエディールを象徴する″悪″に勇気を持って立ち向かった事や頑張りを称賛していた。
俺の為に奮闘してくれてありがとな!
お前がカインドフォースのメンバーで居てくれて……
どうだ? 元気出ただろ?
一緒にエディールとエバスを助け出そうぜ!!
エディールに良心を取り戻すには
怪我を負わす事なく、″幸せに包まれた笑顔″ を沢山振舞う事だと
エンディア中心に動いているカインドフォースメンバーは目標としている。
サンクスポーズを取った事により何とかハディーサの笑顔が再び見る事に成功する中、
書斎で倒れ込んでいたヴィーバも大広間に居るエンディア達の元へと頭を
抱えながら少しずつ歩いて来た……
※サンクスポーズとは……
一方の手首を他方の手で掴み、腕と胸に力を込めて際立たせる姿勢。
主に胸部の筋肉を見せつける。現実ではボディービルダーがやるサイドチェストと感覚が類似している。
う、うぅ……まだ頭が。
しかしラディーの元に行かなければ……
息子が心配でならない。絶対助けを待っている筈だ!!
名はエンディア。そして横にいるのは
俺の大切なメンバーで頼れる仲間のハディーサだ!
如何にも。ただお初にお目に掛かる顔ばかりでして……
え、えっと……誰か知っている顔は……
ほら、ローウェン……
お前、ヴィーバに謝る事があるんだろ?
お、驚かないでくれ! 彼はもう大丈夫。
良心を取り戻しもう悪事が出来ない体質になった。
彼だって列記とした人間だ。ちゃんと謝る事が出来る……。
ヴィーバ……、色々とキツい事をして済まなかった。
特にお前のお気に入りのバイオリンを壊した事は許し難い事実。
それでも、許してくれるのか?
ローウェンさん、顔を上げて下さい。
ちゃんと謝れるじゃないですか……、私はそれを期待していたんですよ……!
分かりました。今回の件については目を瞑りましょう。
ありがとうございます……。
それと、ニリアさん。私は執事失格ですよね?
もちろんよ。
主人の屋敷を半壊にさせた罪は重いわ……
執事として0点よ。ただ……
エバスは最後まで貴方の事信じていたのよ……。
博識で体力にも自信がある人なんて到底居ないわ。
だから……、全てを終わらせて来てうちに遊びに来てくれないかしら?
その時は執事としてじゃなく、
主人の友達としてね。絶対喜ぶ筈だわ!
あ、そう言えば……書斎が壊れたせいで誰にでも簡単に
拳道具「ロックダスター」が手に入れるようになっちゃったわ。
主人はエンディアさんに装備して欲しいと願っていたので、
もし良かったら受け取ってくれませんか?
えっ? エンディア様、本当にそれで良いんですか?
本当にお目に掛かれない代物ですよ……。
拳に付けている所見たかったのになあ。
確かにそれが無いと改心させられない相手かもしれん……
ただ、それがエバス家に纏わる家宝なら尚更だ。
そう言った類の物は大切にしてほしいんだ……
ハディーサ、我儘言って済まないな。それが俺の信念だ!
そう言うと思ったぜ。さすが俺等のリーダーだ!!
ローウェン、エンディア様を信じて付いて来てくれ……
必ずシルディートとオルームは助けてやるぜ。だろ、エンディア様?
シルディート? オルーム?
助けるのは2人だけじゃないぞ……!!
お、言うねえ。ローウェンのスキル「轟虫」にも期待してるんだぜ……
ああ。今度はエンディア様の為に加勢してやる……
一体何人の人を助けるんだ?
静かな闘志を燃やすエンディア、
そして手戟のスキルを持つハディーサ。
更には良心を取り戻したシルディートとオルームの兄弟を持つローウェン。
3人による反撃の狼煙が今大空に向かって解き放たれる。
一皮剥けたカインドフォース男性陣が今、ヒルハイドタワーに向けて始動開始――。
****
ビアンラボ――。
エバス宅がある一等地ヴィバールの雰囲気とは違って
最悪な状況に陥っていた……。そう、皇帝の指示によって女性陣の確保の命を受け
ドルシードが非情過ぎる目でシェリアが持つリオルドに解読して貰う資料を奪おうとしていた。
おい、シェリア。その資料をよこせ……
フィンディルから消失したと思ったら、やはり貴方が隠し持っていたか。
さあ、渡すんだ……!!
貴方の判断で運命が変わる……フフフ。
渡したどころで、貴方は私達を始末する算段って言う事位知ってるわ。
この資料はリオルドさんの大切なモノなのよ。
卑劣極まりない貴方達のような人には
渡しません!! どうぞお帰り下さい……
床で倒れ込んでいる2人の有り様を見てよく言えるな……
グレイスにルディース。こいつに関しては妙技を使いやがった。
エディール様には後で話を付けるとして……、ここから問題だ。
お姉ちゃんを困らせるなんて
この人どうかしてるよ!!! 最低ッ!!!
女性に対して暴力発言は摘発されるべきだわ。
本当信じられない。殺すですって……?
貴方が何処の誰か知りませんけれど、最低な人間ですね。
人に向かって言っちゃいけない言葉、分かっているんですか?
ティアラさん、お願いします。
その人に謝罪して下さい……!
ティアラが言っている事は正しいわ。
ただ……、言うべき相手を間違えたと言う事よ。そう、彼は……
ミフィール……、そしてセイラ。
今までご苦労様。自己紹介が遅れたな……。
これも礼儀と言う奴……、丁寧に教えてやるから耳かっぽじってよく聞く事だ。
私の名はドルシード……。
貴方達をヒルハイドタワーに連れて行く為此処にやって来た。
これも全て崇高なる皇帝の計画の1つだ……
貴方達が何を考えてるか全く分からないわ……
リリカルラビットを使って何を目論んでるのかしら?
もうそろそろ聞かせてくれない?
良いだろう。計画はもう最終段階だからな。
我々は皇帝が ″かつて叶えたかった夢″ を叶えるサポートをしている……
夢ですって……!?
それを実現する為にどんな事も犠牲にしていいの?
何度でも言えばいい。
皇帝の計画が完了するまで最後まで見届ける所存。その為だったら私の命を投げ打っても……
遂に皇帝の正体に迫る1つの
″究極過ぎる質問″ が
チーム「カインドフォース」の女性メンバーであるユリシールが口にする……
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