23話:動き出すクロスピア!エバスの策略!!
文字数 3,455文字
ここは、沢山の動物が住んでいる大草原。
遠くには幹部「マイティーダーク」が暗躍しているヒルハイドタワーが見える。
グレイザーとディゼールの魔の手から逃げてきたドロアとオルーム、そしてシャウトシグマ捜索を
続けていたブリジス達が無事に彼等と合流する事に成功する。
そしてリオルドの一人息子であるライトがオルームが何故ここにいるのか問い詰め始める。
それに何でドロアさんもいるんですかっー?
僕に会いに来てくれたのかなー?
もうっ! 一度に質問しないのん…。
ルドスちゃんが寝てるのよん!!
リオルド宅で治療したもののまだ完治出来ていなく
ドロア達がいる大岩の上で横になって寝ているルドスを見つけるキルディー。
ブリジス達もまた突如現れたクロスピアに気付いているが、何かを察しているのか何度も空を見上げる。
****
ここは空中要塞「クロスピア」。
ハッチにある扉から大きな部屋に入り、そこでミント・ミフィールの父であるエバスに出会うが
風貌的に怪しい雰囲気を醸し出している為、ゼシアとオルガ、グラスは身体を張りながら
女性陣とリリカルラビットを守っている。
そんなに頑張らなくていいんですよ…
所詮貴方達はコマです…、動かすのは私。
ここから逃げるなんて100%ありえない…!!
エバスは薄気味悪い笑いをしながら、一人ずつ顔を確認していく。
そしてユズキの前でまるで獲物を狙うような目をしながらピタリと止まる…
逐一情報が入って来るんですよ…優秀な部下から…。
素晴らしいスキルを持つ、私の意見に賛同する者ですよ…。それだけしか言えません…
ただ、私の愛しいミントとミフィールにはずっと黙っていた…。
さあ、父さんの意見に賛同するのだ…、なぁ、ミント?
もーうっ! そんなの父さんじゃないよー!
お願いだから戻ってよー。ユズキちゃんは私の友達なんだよっ!!
あまり迷惑かけないでよー。
そういう事じゃないんだよー。
お願いだよー! 話聞いてよー!!
気分が優れないんだ…
私はお前を愛してやまないんだ…。
害を成すのはアイツと一緒に牢屋で過ごして貰いますよ…
久しぶりの妹との再会、そしてユズキにはたっぷりとお話を聞く必要がありますので
食事の準備を…。そして残りの方は牢屋へと閉じ込めて置くのだ…
彼等にもきちんと食事は与えます…、質は悪くなりますけど。
足掻いても無駄ですよ。ここは上空、決して逃げ場なんてありませんから…
何かを企んでいるエバスは妹のミント、ビアンラボのスタッフであるユズキと共に
食堂へと向かおうとするが、仲間である二人のピンチに気付いたグラスが
エバスの元にダッシュして彼女達を取り返そうとするが…
ミントとユズキを放せ…!
その二人は俺達の仲間なんだ…。いくら家族だろうが
妹を困らせるような顔をさせたお前を俺は許さない。意地でも取り返す!!
だったら、取り返しに来いよ…。
受けて立つ…!! ただ、私は "あの方" と同じぐらい強いですよ…
それでも私に立ち向かえるのなら来て下さい…
癪だがグレイザー様に鍛えられたこの身体で、エバスを止める!!
ゼシア、行くぞ! お前も手伝ってくれ!!
分かった! オルガは女性陣とリリカルラビットを守ってくれ…。
必死に彼女達を助けるためにスキルを持たないゼシアとグラスがエバスに立ち向かうけれど
2人の動きを完全に読まれて全て交わされてしまう。まだ本気を出してないが
ちょこまかと動く彼等に対して様子が可笑しいエバス…
ああ、退屈だ…。骨のない人達だな…。
そんな反吐が出るような攻撃、私からしたら痛くも痒くもありませんよ…
何だこいつ…。
必死にトレーニングしているのに効かないなんて無駄だったのか、俺は…!?
ぐ、グレイザー様に鍛えられたのに効かないとは…、つ、強い…!!
食事の準備が終わる…
ちょこまかと動かれるのも厄介なんで一回終わりにさせましょう…
私の時間に付き合ってくれてありがとう…。おい、お前!!
ゼシアとグラス、オルガ…そして女性陣、リリカルラビットを牢屋に入れておけ…
女性陣にはあくまで優しく接するのだ…。
わ、分かりました…。
お、おいっ! お前等エバス様の指示は絶対服従だ、付いて来い!!
エバスに傷1つも付けられずに終わったグラスとゼシアは胸に
「必ずミントとユズキを取り返す!」と
誓いこの場は一旦彼の指示を聞いておこうと牢屋へと向かう。
さあ、食堂へと行きますよ…。
ミント、そしてユズキ…。久しぶりに祝杯を上げようじゃないか…
(お、お願いだから助けに来てよねー。ゼシアさん、そしてグラスさん!)
****
再びここは大草原。
大岩でルドスが横になっている中、近くの茂みでゴソゴソと動く音を耳にしたライトは「何者だ!」と
言い放つ。ただ、そこから出てきたのはさっきリオルド宅で彼と対峙していたグレイザーとディゼール。
何しに来たのー?
ルドス君は寝てるんだから襲わないでよねっ!!
安心して下さい。ルドスさんを助けたという事はもう知っています…
ただ、用があるのはライトさんとドロアさん、
そしてオルームさんです…。
お前の父の事だ。
長く言うのは嫌いだ…。簡単に済ます!
リオルドが自滅した。それを伝えるだけにお前等に合流した。
お前等が下したんじゃないのか?
父さんは常に幹部の事を気にしていたからな…
確かにさっきまでリオルドさんのお宅にお邪魔しました…
ただ、私達に情報は渡してくれませんでした。連行されるのも拒否されました…
情報を提供するなら、自分自らそれと共に消えるのを選んでいたのでしょう…
グレイザーがオルームに渡したのは
部屋に飾ってあった息子ライト、オルーム、ドロアと一緒に出掛けた時に撮影した記念写真。
皆笑顔でピースをしている。ふとあの時の思い出がオルームの記憶に蘇り涙を流してしまう…
(皆で記念撮影するのよん。
えっと、ほら、あそこ。良い景色だわん。)
(そうだな! 確かにここは絶景だな…。
オルームがうちに来てくれて俺も助かってるからな!
本当にありがとな! こう見えても感謝してるんだからね。)
(いつも俺のサポートをしてくれてありがとな、オルーム。
お前も立派な家族だな。ライト、お前も彼をサポートしないとダメだぞ…!)
(まだ頼りないですけど、リオルドさんのサポートが出来るように頑張ります!!
ライトさん、リオルドさん…今後とも宜しくお願いします。)
オルームはリオルドが大切にしていた記念写真が飾ってあった写真立てを
抱きながらしゃがみ込んで泣いている。
俺にこの写真立てを投げ付けられた…
お前、相当リオルドに愛されていたんだな。
リオルドさんの事は残念ですが、今後ともやることは変わりありません…。
彼が居ない今、私達の指名が下されるまで手出しはしないので、安心して下さい。
おい、ブリジス。
お前さっきから何故空ばかり見ている?
あれを知っているのか…。だったら教えろ!!
(どうやらこの合図はエバスからか…。上手く行ったみたいだな!)
****
ここは空中要塞「クロスピア」の収容部屋。
エバスに成す術ないまま手下に連れていかれて部屋に入れられてしまうゼシア達。
くそ…。一体エバスにどのように立ち向かえばいいのだ?
エバスはスキル所持者だ…。彼が持つのは「浮遊」。
手を使えなくすれば対抗出来る…!!
【レサリア】
お、俺はレサリア。レシールの父だ。
エバスに逆らってここに閉じ込められた…。
レシールさんの御家族の方でしたか。
先日、お会いしました。猫好きでとってもおしとやかな方でしたね…
あ、娘は元気にしていましたか?
危ない目に遭っていないか? あ、取り乱してすみません…
レシールさんは幹部「マイティーダーク」のメンバーと共に
シャウトシグマ探しをしています。すみません…、何も出来なくて…。
とりあえず無事なんだな…、良かった。
そうだ、君達にお願いがある…!
この空中要塞「クロスピア」の何処かにあると思うんだ…。
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