４３話：バスタイムは突然に！エディール達の休息！！
文字数 5,405文字
口論していた相手は木漏れ日の森の奥にある小屋の持ち主であるロディアス…、そして
旋律の館（メロディシア）を受け継ぐラディ―、クロスウッドではバイオリニストとして有名を
馳せていた。森が枯れて居場所を無くしたロディアスは恨みを込め
覚醒したグレイザーに戦いを挑み始めていたが、圧倒的な強さに完敗。
どんな屈強な相手でも絶対に勝てるように必死にトレーニングしたんだ…
出来るもんなら、打ち抜いてみろよ…
お前と違って俺にはスキルが無いから必死にトレーニングをして鍛錬して来た。
ただ、エディールだけはどうやっても勝てなかった…。
格が違い過ぎるのも、思い知らされた…！
グレイザーさんを倒せるなら、実力を認めざるを得ないですけど。
今の戦いを拝見させて貰った限り、傷１つ付けていません…。
出来る、出来ないじゃ話が違うんですよ…。
殺すなり、捕らえたり好きなようにしろ…。
ラディ―、済まないな…こんな俺で。もっと力があれば…！！
そして、ここに居る皆さんは怖いし、強いです。
けれどもたまには負ける事も必要だと思いますよ。
それに力に頼るのはダメです、ロイジャスさん…！
負けて得るモノもあるんです…！！ そこからの巻き返しが面白いじゃないですか！！
１つ勉強になったな。エディール、グレイザー…そしてオルーム。
もちろん他の幹部や暗殺者もいる。俺には目標が出来た！
必ずお前等の計画を阻止するから、指銜えて待ってろ。
こういう発言も控えた方が良いのか、ラディ―！？
しかし、それを目標と捉える所はロイジャスさんらしいです…！
僕は争いごとが嫌い。その分、今この場で戦える人は貴方しかいません…。
特に力に頼り過ぎているここにいる皆さんに、僕の言葉が響くようには思いませんし…
けれどもロイジャスさんはまだ間に合います！！
けれども自ら負けを認めた事は素直に受け止めてあげましょう…
ブルさん…。あ、そうでした。彼は今お取り込み中でしたね…。
露天風呂に入って来ていいか…？
良いですよね、エディール様…！！
リフレッシュと言う意味を込めて、３人で入りに行きましょう…。
オーラを使うと体力が少なからず消耗する。時には休息も必要ですね…
露天風呂、俺も入りたいがここは我慢しよう。心置きなく堪能して来てくれ…！！
では皆さん、行きましょう…。
過信しているエディール、グレイザー、オルームに一番聞かせてあげたい言葉だが、
今の彼等にはその言葉も決して届かない。スキルの恐ろしさ、抱える闇の重さ…
それが形となって対抗してくる者にトドメを刺してくる為
彼等に対抗出来る術が全く見つからない…。しかしながら
エディールは何故そこまで闇の力に頼り切っているのか…、それは彼が抱えるとある過去に
関わっているなんて、誰も知る由ない…。
ここは２８階にある露天風呂。
デュードビレッジ以来のリフレッシュ。
皆それぞれ羽を伸ばしながら思い思いの時間を過ごしていた。
※ここからは想像で楽しんで下さい。アイコンはそのままにしています。
女湯「ビューローズ」
もしかして私一人かなー。
やったー！ 思いっ切り羽伸ばせるよー。
貸し切りっていうやつだよねー！ まずは身体洗わないとねっー！
セイラさんに少しからかわれた事思い出しながら身体を洗い流していた。
確かビアンラボで待っているんでしたよねー
早く再会したいな。あの時、からかわれたけど彼女もビアンラボのスタッフだもん。
ちょっとセクシー過ぎるけど、立派な私の先輩だしー。
彼女みたいな大人になってみたいなー！
身体を洗い流していたユズキの所にあった鏡が曇ってしまい、前が見えなくなってしまう。
曇りガラスを拭き取ろうとした瞬間、後ろに気配を感じそっと振り向くと、
そこにはセイラさんみたいなナイスボディをしていた女性が佇んでいた。
サウナで見ていたわよ。私の好む幼児体型…
じゃあ、いつもの恒例サービスタイム始めるわよ♡
何ですか…いつもの恒例サービスタイムって…
私、そんなの初めてですよー！ い、痛くないですよねー。
ファーストルック（第１の視線）
お胸！ 幼児体型だからまずまずだわ。ランクはＣね！！
Ｃってどんな感じなのー！
もう怖いよー。私、この大人の女性の方に評価されちゃうのー！？
嫌だよー、お兄ちゃん助けてよー！！
次はセカンドルック（第２の視線）！
スタイルの良さ。うーん、お？ これは期待出来るわ…！！
お兄ちゃんがかなりマッチョだから、私も気にしているんだよー。
健康は維持したいもんねっー！！
じゃあ、ラストよ。ファイナルルック（第３の視線）！
今後の成長。無茶せずに今の体型キープ出来ていれば、
私みたいなナイスボディみたいになれるわ。期待しているわよ！！！
この露天風呂を管理している会社の女秘書さんですかー！？
確か名前は…、あっ、ヘレンさんですよねー！
【ヘレン】
ご名答だわ。驚かせて済まなかったね…。改めて、私の名前はヘレンよ。確かさっきセイラって言っていたわね。妹は元気にしているかしら？
最近忙しくて会ってないけど、その様子だとスタイル抜群になったみたいだね。
これは近々、スタイルチェックしなくちゃ…！
妹でも容赦しないんだからっ！！
でも羨ましいです。私何でもテキパキにこなして
世の殿方を魅了させる素敵な女性になりたいんですよー。
子供のうちはトレーニングしちゃダメよ。成長が止まっちゃうから…
けれども、お兄様の影響を受けて自分の将来の体型を気にするのは素敵な考えよ…
私も応援しているわ…。えっと、名前聞かせてくれる？
私の身体を評価してくれてありがとうございましたー。
もっと素敵な女性を目指して頑張りますー！！
こっちも良い時間を過ごす事が出来たわ、ありがとね！
ヒルハイドタワーの露天風呂を経営している会社の女秘書…、彼女は実は
ビアンラボで勤めているセイラの姉。ユズキのような幼児体型の方を見ると
ボディチェックをしてしまう癖があるけど、今後の成長を期待している為ついやってしまう。
そして露天風呂を出るタイミングでとある事をカミングアウトし始める。
ちなみに私はもう１つ名前があるのよ…。
名前はね、カラフルドロップですわ。
じゃあ、聞かなかった事にしといていいわ…。
じゃあね、ユズキちゃん！
男湯「ブラックシャドウ」
よくあるシチュエーションだが、
まずお湯を桶にいれて１回身体を流しそのままお風呂に入る。そういう人実際に居ますか？
ここにいる全員が先に身体を洗わないで、大浴場へと入っていた。
確かデュードビレッジの時は皆と一緒にお風呂入れなかったんだよねっ！
手足が温まって来るよー。こう言うのって極楽って言うんだよねー！
もう笑ってる…！ やっぱりお風呂って凄いんですね！！
嫌な事も忘れさせてくれる。そして皆と入る。素晴らしいです！！！
こう見えて小太りなんですね。ちょっと安心しました…
あの時、グレイザー様の身体を見て驚きを隠せなかったので、もしかしたらと思って…！
気にしていたんだけどなー。ライトくんに言われちゃったよー！
ブリジスさん、無事にエディール様達を撃破したら一緒にダイエットやりませんか…？
トレーニングをやった分だけ成果は出ます。
大丈夫ですよ、襲いはしません。ビランさん、エルディスさんもこんな場所にいたんですね…
大浴場に入って行き、先に堪能していたブル達と出くわしてしまう。
しかしながら、以前にもグレイザーが言った通り、大浴場／露天風呂は疲れを癒す場所。
決して襲わないと決めている為、その意見に賛同していた。
ただ、グレイザーとオルームの様子が可笑しく風呂に浸かった瞬間、
エディールから授かった深い闇の力が消えてしまい、通常の姿に戻ってしまう光景を見てしまう。
露天風呂に入るのもデュードビレッジ以来だな。
確かあの時、ユ…。ん？ 何だ…、思い出せないぞ…！！
まあ、いいだろう。そのうち思い出すだろ！？
ん？ ライトにリオルド、お前達まだ生きていたのか…！
命拾いしたな。安心しろ、グレイザー様に
お風呂内で暴れたら枯らすと言われているからな…
俺も人間だ。時には休息と言う名のリフレッシュが欲しい…
もちろんそれはエディール様も然り…。ですよね？
何ですか、その目は…。あまり惹かないでくれませんかね…
やはりお風呂の力は悪の心も打ち消してしまうんですね。予想外でした…
ただ大丈夫です。また後で元に戻させて頂きます…
俺にもあるんだ。聞いてくれ！！ クレッシェンドノーツだ！！！
どうだ、良い名前だろう！？
スケルトンゼブラ、クレッシェンドノーツ…！？
何かの暗号か…。それとも…！！
お風呂に入った事で綺麗に無くなっている。効能、あるいは…、お風呂にある癒しのパワーか…。
それはエディールにも予想外過ぎて、少し言葉を詰まらせていた。
エディール様、グレイザー様、オルームさんの顔を見るのは初めてだ。
自己紹介させてくれ！ 俺はデルシア。
お前等と一緒に動いでいるディゼールの弟だ！！
雰囲気は似ても似つかないですけど、まあ良いでしょう。
ブリジスさん、確か貴方にも名前ありますよね。覚えてますよ…
確か…、ブライテストアンサー…でしたよね？
わ、忘れていたのになー。まさかその名前を思い出させるなんて…
エディール様でもそういう一面はあるんだな…。意外だな…！！）
悪くないな。もしこの計画を成功させて、エディール様達を改心させたら
俺もこいつ等と一緒に遊びたいぜ！！！）
温まった所で、一緒に身体を洗い流しましょう。流し場に移動ですね…！
ここはどんな深い闇も心を潤してしまう程の大浴場。
それはエディールにも効果覿面。皆も察している通り、入っている間の彼には全く深い闇の気配を
感じ取れない程。ただ、そこに彼の弱点があるとは誰も思っていない様子。
流し場に移動して、ライトがブリジスの背中を洗い流そうとすると何かに気付き始める。
いつもお世話になっているので、恩返ししないと…。
背中、あっ、み、見ないでくれませんか…！！
彼の背中を洗い流そうと、背後に近付くと彼の背中には大きな傷跡が残っていた…
ライトくんに見られた以上もう隠せない…。こ、この傷は…、ジルバにやられた…！！！
再びジルバの刻印が赤く染まり出してしまい、その場にいたエディールも少し慌て始める。
ジルバさん…！ 真相を聞かせてくれませんか…？
貴方の刻印を操れるなんて、この一連は…、皇帝の仕業ですね…。
ブリジスさんの背中に傷を負わせた理由って一体何なんですか…？
ブリジス…、お前は覚えている筈だ。
忘れてなんかいないだろ…？ 思い出してくれよ…。
ま、まさか…。
