10話:ルドスの覚悟!グレイザーとディゼール!!(後編)
文字数 4,085文字
大ピンチを迎えていたルドスの元にブリジス、ライトの元にキルディーがようやく
用事を終えて駆け付けた。でもまだ油断は出来ない…。
幹部「マイティーダーク」のグレイザー/ディゼールは
計画を遂行させるためにはどんな手段でも使ってくる。
****
女性陣・リリカルラビットを守りながら
スキル「獣拳」を使って立ち向かうライトの元にキルディーが駆け付ける。
よう。ディゼール…!
もちろん俺の事も覚えてるよな!!
ええ…
思い出したくはありませんが、
貴方とブリジスに以前痛い目を遭わされましたからね。
ライト…! お前何故ここに来た…。
「シャランアゾールのギルドで待ってろ!」って言っただろ?
す、すいません…。
見たくない種族がいたので、外に出たら看板に
デュードビレッジの案内が記されていたので、興味本位でつい…
まったく…、ブリジスさんに何言われるか分かりませんよ…!
一気に仕留めてリリカルラビット…、そして記憶の断片を頂く!!
準備はいいか、キルディー!!!
一方その頃、グレイザーに立ち向かうブリジスは
地面に倒れているルドスの腕に手を当て、スキル「星」で可能な治療をしている。
もうルドスくんをこんな目に遭わせちゃダメでしょー。
確かグレイザーさんには様を付けないといけないんだったよねー。そんな事より…
エディールにこそ様をつけろ…!
幹部「マイティーダーク」を束ねるボスだぞ!!!
まあ、結成させてくれたのはまた別の人間だがな。
ふーん、そうなんだー。
でもボスでも僕の方が強いもんっ!!
あの時も負けたもんね、グレイザー様!!!
過去の事より今だ!!!
ちっ…、お前のせいでブライドゼータを取り損なったじゃないか。
今度は俺が勝つ…。ブリジス、戦闘の準備をしろ…!!
リリカルラビットの4匹がヒルハイドタワーを脱走した日ルドスくんがブライドゼータを盗んだ日
リオルドさんが行方不明になった日
全部同じ日だったんだよー。そして、覚えてるよねっー。
あっ、思い出したぞ…!
あの日だ! 俺がグレイザーと勝負して頬に傷を付けた日は…。
俺はルドスに頬を傷付けられた直後、ブリジス達と勝負をした。
負けたけどな!!! 続けざまに負けるなんて…
再びオーラ全開になったグレイザーはブリジスに攻撃を仕掛け始める。
いきなりパワー全開で襲い掛かるグレイザーの枯渇の技、そしてそれに負けじと
本気ではないブリジスのスキル技を発動させる。
地面を這う枯渇弾、そして電気を帯びた星がぶつかり合う。
(もっと強くだ!!!
ルドスもブリジスも…憎い…。俺が絶対勝つ!!!)
(グレイザー様にはこの技で十分だ! どうせ僕が勝つんだもんっ!!)
グレイザーの「ダイナソウル"改"」、ブリジスの「スターアートスパーク」は
どんどん威力を増し、発射した技の周辺に火花が飛び散り始める。それを察したブリジスは…
や、やばいよー。ば、爆発するよー!!!
る、ルドスくん…逃げてー!!
や、やばい…。間に合わない…!こうなったら…。
スターサビリティー!!!
星型のバリアをブリジス、ルドスの周りに張り巡らす。
そして二人の技は衝撃破のように周りの木々を吹き飛ばす。そして地面にも大きな穴が開いてしまう。
****
その頃、キルディーのスキルがディゼールに全てヒットしているが、
なかなか倒れないタフな身体をしている。
見事です。しかし私も負けていませんよ…。
何しろ、私はグレイザー様の次にパワーを誇っています…!
エディール様に言われたんです。ボスの為に…私は…
その時、グレイザーとブリジスが放った技が爆発した時に起きた爆風が
ディゼールとキルディー、そしてライトの元に迫って来ていた。もちろん彼等も
スキルで女性陣、リリカルラビットを守るようにキルディーがバリアを張ったつもりだが
ユウマだけバリア外になってしまい、爆風に巻き込まれてしまう。
うわあー!なんやこれー!!
あ、あついわー!!! だ、誰か助けてくれい…!!
爆風の中から薄気味悪い笑い方をしながら、ディゼールがユウマに近づく。
フフフ…。こんな爆風、私からしたら何でもありませんよ…。
大人しくしろ…!
リリカルラビット…、名はユウマ!! 貴方を捕獲させて頂きます。
この爆風が治まったらお世話になったミントさん、オルガさんに
お別れを言って下さい…。それぐらいの時間はあげましょう…
わ、分かった…!
大人しく言う事聞くから、ミントとオルガには手を出すな!!
爆風は少しずつ治まり始めて、ディゼールはリリカルラビット "ユウマ" を連れて
グレイザーと合流する。もちろん彼も爆風の耐性があるので、余裕な顔をしている。
けれどもルドスからブライドゼータを奪う事は出来なかった。
ディゼール…、ご苦労。
お前の名はユウマだな。ノルドイドから報告は全て聞いている。
スキルは「トーチ」…。間違いないな…!!
そうや! ミントやオルガ、そして他の人には手を出さないでくれや。
何だって言う事は聞く!!
そうか…。じゃあミントとオルガにお別れを告げろ!!!
おい、ルドス…今回はブライドゼータは見逃してやる…。
お前はまだ弱い…、せいぜい修行をする事だ。
ふん。放って置け…。
次会うまでにトレーニングを積み重ね、絶対にお前に勝って見せる!!
待ってろよ、グレイザー…様!!!
女性陣、そしてリリカルラビット3匹、そしてライトを含む
男性陣はおそるおそる幹部二人の元にやって来て、ユウマが捕獲されている光景を見てしまう…
済まんな、ミント、オルガ。
捕まってしまったわ…。世話になったで!!
俺と絡んでくれておおきに!!
えーっ…、ユウマさん!!
お別れなんてイヤだよー。行かないでよー!!
逆らったら何仕出かすか分からん…。
それにお前さんが傷付くのは見たくないんやー。分かってな!!
(行くな…、って言いたい…!
けれど逆らったらお兄ちゃんみたいに…。)
ユウマは神秘の海でミントと会った時の事を思い出していた。
そう、始まりは突然。ビーチバレーのボールが頭にぶつかりそうだったのを助けた所が彼女との初めての
出会い。今思えばそれから数週間経っているが、それも良い思い出…。
そしてミントはユウマに記憶の断片を涙を流しながら渡す。
グスン。あっ、ごめんねー。
泣いてなんかいないんだからねっー
ゆ、ユウマさん…お元気でねー。
泣きたい時は泣くんやで!!
いっぱい流した涙、俺は絶対忘れないと決めたる!!
その時、ずっと泣かないと決めてたミントは遂に堪えきれず
ユウマを抱きしめながら大粒の涙を流してしまう。そしてミントの元を離れ
記憶の断片をグレイザーに手渡す。
なら、ヒルハイドタワーに一時帰還するぞ。
ユウマも付いてこい…。行くぞ、ディゼール…!
ええ…。今回はこれだけにして置きましょう。
では、皆さん。また何処かでお会い出来たら、今度こそ…。
背を向けてヒルハイドタワーへ戻ろうとすると、勢いよくユズキがグレイザーの前に飛び出す。
兄である彼が彼女に技を使って眠らせていたが、ようやく起きた様子。
何だ、ユズキ。もう起きたのか…!!
悪いな、俺は幹部として動く事に決めた…。
もう後戻りは出来ない!!
お兄ちゃんがやってる事は間違ってるよー。
だからビアンラボのスタッフになったんだよー!
まだ未熟だけど、お兄ちゃんを私は全力で止めるんだからねー!!
****
デュードビレッジ・デュードフォレストの様子をヒルハイドタワーから見ている
エディール。そう、彼こそ幹部「マイティーダーク」のボス。
困りましたね…。成果は2つですか…。
このままじゃ私が怒られてしまいます…
仕方ありません、グレイザーさんを暴れさせましょう…。
エディールは成果が2つだという事実に満足出来ていなく、幹部「マイティーダーク」の一人
グレイザーにとんでもない能力を渡してしまう。それに呼応するように
彼の目の周りが一瞬で黒くなり、何か呟いている様子。
(小声で)枯らす…。枯らすんだ…。枯らしてやる!!!
グレイザーはとんでもない技を出してしまい、周辺から広範囲に渡って枯らし始めていき、
デュードビレッジに生えている樹木や草木がどんどん枯れていく。そしてその技は
デュードフォレストにも迫っていて、来ていた冒険者、スカピーノのスタッフ、チャートラスの
スタッフは指示通りに避難を開始していた。
大きい星が目の前に現れ、ここにいる男性陣、女性陣、リリカルラビット全員が
乗れるぐらいのサイズをしている。ブリジスはグレイザーが出した技が強力すぎて
このデュードフォレスト全体を枯らすと予測しての判断。
それとグレイザー…!
お前との勝負はお預けだ!!
じゃあな…。こっちもやる事があるんでね…
ブリジスが技で出した星に乗り込み、上空へと飛び始める。
そして彼等はデュードフォレストの最期を見届けながら
グレイザーのスキル「枯渇」は改めて恐ろしいと感じた。
****
そして数時間後、デュードフォレストは木漏れ日の森みたく全て枯れてしまい、
ここも第二の死の森となってしまった。
素晴らしいです、グレイザー様。
木漏れ日の森のように"死の森"に変貌しました…。
樹木、草木はこのように枯れております…。ああ、何て美しい…。
そこに隠れているのは分かっていますよ…。5人目の幹部さん。いや
きちんと名前で呼んだ方が良いですよね?
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