32話:グレイザーの裏切り!幹部達との口喧嘩!!
文字数 2,341文字
シャウトシグマの真の力が目覚め、クロスピアとビアンラボの衝突は免れた。
しかしながら、アージェスの手によって影の中に消えて行ったライオットの消息は掴めず…
誰もが歓喜していた中、嘲笑うかのようにエディールが現れ
今まで彼に関わってきた人に罵声を浴び始めてしまう。
はぁ…、何で私に関わって来た人物は
こんなに期待が出来ないのでしょうか、不思議ですね…
なぁ、クロス…。
あんな高い場所から落ちて、よく生きているな…
ナギさんとブルさんには、私から強く言わないといけねえな…。
お前の力は痛い程よく知らされた…。
けれども、俺はビアンラボのスタッフとして見逃す訳にはいかない…。
なあ、ジハイド…。お前も何か言ってやれ!
お前が親玉か…。名はエディール…
ビアンラボのシステムにも名前がない…、掴み所のない奴か…。
ただ、この大陸で悪事を働こうとしているのなら、見過ごす事は出来ない。
一つ聞きたいんだけど…
貴方、何を言ってるんですか…
私はエディール。幹部「マイティーダーク」のボスを務めています…
そんな事、ここにいる方達は知っていますよね…。この問いに何度聞かれた事か…
そんな事は誰でも知ってる!
俺が聞きたいのは、お前が何処の誰で、何を企んでいるのか知りたいんだ…。
そんな基本過ぎる情報などいらん!!
私に命令か…、良い度胸しているな。
闇に落としてもいいんだぞ…
ただ、私の計画に余計な事はしたくない…。だよな、グレイザー?
…………、はい。
エディール様に与えられた休みを使って
きちんと考えさせて頂く…。
良い答え、待っていますね…。
ゼルシードさん、帰りますよ。
帰途に着こうとするゼルシード、身分を隠すように再び袈裟を身に着け始めるシドルフを見つけ
ニヤリと笑いながら、小声でボソッと呟く…。
(シドルフ…。元枯渇所持者。グレイザー様の答え次第では、アイツを…。)
ヒルハイドタワーへと戻って行くエディール、ゼルシードの二人。
どんな時も冷静な判断をして大人な対応を見せる
彼等の後ろ姿を見るジハイドの元にユズキがやって来る。
ジハイド所長さんー!
長い間、留守にしてしまってごめんなさいっ。
は、早く仕事服に着替えて来ますっー。
いや、ユズキが無事ならいいんだ…。
それはお前の兄であるグレイザーもそう思ってるんじゃないのか?
おーい、グレイザー様っ。
やっぱり笑顔は大切だよねっ。さっき見ちゃったんだー。
ユズキちゃんに対して笑顔していたのー。
ほら、久しぶりの妹の対面なんだろ…。
ルドスから話は聞いた。デュードビレッジでのバトル以来だそうだな…。
まさか、照れてるんじゃないだろうな…!?
グレイザーは一歩一歩を踏みしめて妹であるユズキの元に歩いて行く。
ゼシア達が初めてその事実を知った時は衝撃を隠せなかったが、ビアンラボを救ってくれたお陰で
彼に対しての見方が少しずつ変わろうとしている。そして、ユズキと再会してまずは…
おかえりー、お兄ちゃんっ!
ビアンラボを救ってくれてありがとねっー。
お前の為なら何でもやる!。
ユズキこそ無事で良かった…。
お兄ちゃんがシャウトシグマを使いこなしている姿、カッコ良かったよー。
やっぱり、お兄ちゃんが一番大好きっ。これからも…
グレイザーとユズキの久しぶりの再会を果たし、笑顔で会話を交わす中…
突然とディゼールとノルドイドが遮るようにユズキを突き放し、地面に転ばせてしまう。
きゃっ! い、痛いよー。
お兄ちゃん、た、助けてー。
久しぶりの再会、おめでとうございます。
ただ、今のグレイザー様には幹部としての素質が見えません。
ですよね、ノルドイドさん?
ああ…。グレイザー様、一体どうしたんだ…
浮かれてるんじゃないぞ。俺達は泣く子も黙るマイティーダークのメンバーなんだ。
それを分かって欲しいんだ…。この意味を分かるよな?
そういう事です。グレイザー様、ユズキさんは
ビアンラボのスタッフです…。もちろん計画の邪魔になる存在です…
エディール様に認めて貰うにはどうすればいいか分かっていますよね?
え、えっ…。
お、お兄ちゃんは絶対そんな事しないもんっ! だよねっ?
しかしながら、グレイザーの異変に気付いた
ディゼールがスキル「破壊」の技を発動しようとしていた。
その甘えが、お前を弱くさせる…おい、グレイザー。もう様なんて付けなくていいですよね…。
ユズキ、お前を処刑させて頂きます。エディール様の為にも…
両手をパン! と強く叩き
腹を抉る位の強い衝撃波を放出する。その技を避けようとグレイザーも必死に枯渇の技を出そうと
両手を出して対抗しようとするが…、どうやら様子が可笑しい。
お、お前…よくもユズキを。
もう容赦しないからな…!!
ブラッドハザード!!!
あ…。ど、どういう事だ…。
スキルが発動できない…!! な、何でだ…。
ユズキ、俺と来い!! スキルが使えないから逃げるしかない…。
グレイザーは何かの影響でスキル「枯渇」が使えない身体になってしまっていた。
必死にディゼールの猛攻を振り切る中、ブリジスとキルディー、
そしてジルバが彼等に立ち向かおうと彼にとある伝言を託す事に。
おい、グレイザー様。後は僕達に任せてくれないか?
要するにディゼールとノルドイドの二人を喰い止めればいいんだろ…。
そうみたいですね、ブリジスさん。
俺達の実力を見せ付けましょう。ジルバさん、一緒に戦ってくれませんか?
逃げられないようだからな…。
俺のスキルを使ってお前達を倒そう…!
うんっ。ちなみにジルバさんのスキルって何なんですかー?
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