４６話：ヴィルゼートの解放！幹部「マイティーダーク」再始動！！
文字数 4,530文字
前回のあらすじ
過去にブリジスが皇帝の口車に乗せられジルバ、ルドスの両親、そして自分の両親まで殺してしまった。
ただその当時から研究に手伝わされていたリオルドは自分の持ち場であるクロスピアに
戻ろうとする中、エディールという如何にもヤバそうな雰囲気を持つ男性に声を掛けられ
彼が皇帝と共に遂行しようとしている計画を手伝われる事に…
そんな中、現在
皇帝の元にシルディートという最後のアンドルディシアのメンバーが登場し
３人目の刻印入れる者の名前がビアンラボの職員である「クロス」と判明してしまう。
ここはヒルハイドタワー、地下収容施設に向かう階段の途中――。
ちょっと気になるので、オルームさん、グレイザーさん…
一緒に付いて来て貰っていいですか…？
確かに奴は失敗したけど、同志だからな…
反省してくれないと困る…。だよな、オルーム！？
グレイザー様の枯渇、僕の断割で…、ああ…血が見たいなあ…。
ブルさん、ナギさん…６人揃ってマイティーダークなんです…
私は皇帝の意見に賛同する者として、この計画を必ず成功させないといけない…
さてと長話はここまでにして、地下収容施設に向かいましょう…
グレイザー、ノルドイド、ディゼール、ヴィルゼート、ナギ、ブルの計６人を携えて
皇帝の指示に従いながら、任務を遂行する事を望んでいる。誰一人欠如する事無く…
ただ、ヴィルゼートに関しては過去にグライド研究所に
大切なデータを置き忘れてしまった。と言う失態を犯している。
もちろん、その当時ビアンラボのスパイ職員兼エディールの協力者だったスティードが
庇ってくれたけれども、今度ミスを犯したら今度こそ何されるか分からない。その為、彼は
少しでも自分の失態を知って貰おうと地下収容施設に入れていた…
先日、刻印を入れられて皇帝に操られているライオット、そしてルディアの
襲撃により更に警戒を強めているビアンラボ。対応したルドスとシドルフも
彼等には敵わず医務室で診て貰う中、シェリアという女性研究者と、妹のミアが会議室で談話していた。
まだリオルドさん、到着していないんですね…
心配ですわ。彼がいないとこの文献は読めないんですよ…。困りましたわ…
とりあえず、閉まって置きましょう。ここも現在、
安心できない状況に陥っているみたいですし…
生で見たかったな…。お姉ちゃんがずっとリオルドさんと
そのウサギさんに関して調べ物をしていたから気になっていたんだけど
彼女はリリカルラビットの正体について何かを知っている素振りを見せる。
ここを訪れる前に言った"例のモノ"とは
この文献を指示している。けれどもリオルドだけしか
それを読める人がいない…。八方塞がりと言うのはまさにこういう状態を言っているかのように
時間だけが過ぎていく。
＊＊＊＊
ビアンラボ、男性更衣室――。
一人の男性…、ちょっと雰囲気が違うようにも捕らえられるけど
誰かがロッカーの影から職員のジハイドとルドスが着替えしているのを見ている。
はぁー。はぁー。
ちょうど洋服御脱ぎタイムだ。
うお。うおおおおおお！！ た、逞しい…。ルドスのあのバッキバキの身体、好みだ…！
と、特にあの胸はヤバい…。この時間帯はジハイド所長もいるんだけど、居ないなあ…。
今がチャンス…！ 後ろから飛びついちゃえ！！
ルドスの背後に飛び掛かるため近付こうとする行為が仇となり、
気配を消していたジハイドに即座に襟元を掴まれてしまい、注意を促し始める――。
何回目ですか？ ルドスさんはたった今治療を終わったばかりなんです…。
これからちょっと横になるみたいなんで、そっとして置きましょうね！！
あら。ごめんなさい…。
ただ、ジハイド所長。ルドスさんって凄いですよね…
どうしたらあのような身体を手に入れる事が出来るんだ…？
シャランアゾールにあるトレーニング施設で朝から晩までずっと鍛えてたんだ…。
今は独自の方法で鍛えてる。日頃の鍛錬の賜物だな…。
一緒にトレーニングするか？ 付き合うぜ…！！
エディール…！ 奴だけはどう足掻いても無理だ。
必ず彼の隙を付ける弱点がある筈…、その為には皆の知恵も必要だ…。
力だけじゃダメなんだ、絶対に…！！）
さてと持ち場に戻る…失礼したな！！
ただ自分はゲイ。何処か消化不良のように見えるせいか、欲求のせいか
物足りなく興味ない女性更衣室をジッと視線を釘差しにした状態で
見始めると、誰か男の人に呼び止められる。
【？？？？？】
ゲイミさん…。女性更衣室を見るなんて卑劣です！！あるまじき行為です。じ、ジハイド所長…。
彼が女性更衣室を覗いてたんですよ…。
ちゃんと叱って下さいっ！ 僕は食堂に戻ってご飯の続きです…。
もう、食べてる最中お手洗いに行ってたのに、こんな現場見るなんて「なんて日だっ！」
ちゃんとお仕置きして置きます…。
宜しくお願いしますねっ。いよいよ明日ですね、ジハイド所長…！
ちゃんと万全の対策はしてありますよね…？
明日は幹部「マイティーダーク」と皇帝、アンドルディシアのメンバー達が
例の計画を始める日ですよ…！ そんな大事な事忘れていたんですか？
所長として忘れるなんて…、駄目ですよっ！！
ヤバい…。まだ対策してない…！！
医務室で休息獲っているルドスさん、シドルフさんには僕から言って置きますから…
宜しく頼むぞ！！
シルディート、ゲイミ…共にビアンラボの職員。
性格は全く真逆だけれども、実力は折り紙付き。
特にシルディートはこう見えて大食漢で太っている。スキルは持っていなく
自分の好きな弓矢を装備しながら、色んな悪事を裁いている。ゲイミは男性好きでちょっと変なキャラ。
しかし彼は幼い頃、父親の影響でこの大陸で主流な武術「コロシェンダー」の段位を取得する位
やる時は実力を発揮する。意外に侮れない…
皇帝を支持する暗躍組織「アンドルディシア」が練り通した
壮大な計画の幕が明日始動しようとしていた。
そう、エディールが地下収容施設に向かっていた理由はヴィルゼートに「再始動」の報告をする為…。
＊＊＊＊
ヒルハイドタワー、地下収容施設――。
話は聞いております。いよいよ明日ですね…！
きちんと反省しました。俺にもう一度チャンスをくれませんか…？
貴方の期待に応える為にどんな事だってやる！！！
オルームさん、まだ貴方には紹介していませんでしたね…
彼はヴィルゼート。とある理由でここに監禁させて貰いました…。
失敗するなんてダメだなあ。ただ、これ以上言うと僕が仕打ちを受ける羽目になる。
言いたい事はあるけど、これ位にしてやる！！
返す言葉がない…。エディール様、本当に申し訳ございませんでした…
さてと、鍵を開けます…。ミッチーさん、ヴィルゼートさんの
話相手ありがとうございました…。気付かないとでも思ったのですか？
多少は退屈凌ぎになったでしょう…。
少しずつ檻の元に近付き始め、まるでこれから巣立って行く子供のように
彼の「マイティーダーク」としての再始動を応援している。
ヴィルゼート、アーユーオッケー…！！
お前との会話、楽しかったぜ…。な、なんちゃって…。
お前と話せなくなるのは辛い…。だけどここにいつまでもいる奴じゃない事、
分かってるんだ…。え、エディール様…、彼の事を…
ヒャッハー！！！！
わ、分かりました…。や、やはり貴方の感情は掴めません…
ヴィルゼートさん、では行きましょう。
少なからず彼との交流で地下収容施設に捕らえられていたヴィルゼートも
自分の失敗、そして一人の人間としてきちんと反省をしながら別れを告げる。
【速報】ヴィルゼート、幹部として再始動。
＊＊＊＊
翌日…
ビアンラボ、会議室――。
ジハイドとシェリアが色々とリリカルラビットに関して会議をしていると
突然、大陸「クロスウッド」全土が大きく揺れ出し、ビアンラボも少なからず影響が及んでいた。
えっ、地震！？ 最近全く無かったのにー。
もしかしてー。エディールさんと言う方の仕業なのかなー！？
とりあえず机の脚にしがみついて、自分の身を守って下さい…！
揺れが強いわ。これは…まさか…！！！
う、動き出したわね。奴等…
エディールがグライド研究所を襲撃し始める。
突然の登場に驚きを隠せず、所内にいるスタッフや研究員は慌てふためきながら外へ逃げて行く。
しかしながら、逃げた先にいるのはオルーム…。
突然襲いやがって…。俺は何もやってないぞ…！！
えっ、お、お前も初めて見る顔だな。名を名乗ったらどうだ！？
オルームの右手に殺した男性の血が染み渡り、自分に立ち向かった事を後悔するように舐め始める…
物足りないなあ。そうだ、エディール様が
戻ってきた所で、誰も居なくなったグライド研究所どうするんだ…！？
１つずつ任務を遂行させましょう…。
まずはヴィルゼートさんが居た痕跡を残す為…
それと、ナギさんとブルさん、もうすぐでビアンラボに到着します…。
さあ、皇帝の為に必ず成功しましょう…
壮大な計画が幕を開けた。これは決して逃げる事の出来ない出来事…。
まだまだ謎が多いリリカルラビットの冒険譚。
決意のシャウトシグマ編の物語はいよいよヒルハイドタワーへ。
リリカルラビットの正体、まだ明らかになってない謎も多く残る中、幹部達との全面戦争が今始まる…！
