90話:カインドフォース完全敗北!最後の切り札、悪エバス再爆誕!!
文字数 4,279文字
エディールとの全力喧嘩……
2人のバトルは気付いたら天井や床、壁に打ち付けられた痕跡、
そして大広間には仰向けで傷だらけで倒れているエンディアの姿が……。
やはり実力は彼の方が上なのか?
いや、そんな事は関係ない。友として、エディールの笑顔が見られる日まで
闘魂を滾らせながら懸命に改心する事を決意しているけれど
本当に闇の虜になってしまった為、どんな事を言っても
揺るぎはしない決意の元、ここに立っている……。
チーム「カインドフォース」……
誰よりも優しく、笑顔を大切にしているエンディアを
貶されてしまい、さすがに友達として認識していたエディールの事を憎く思ってしまう。
それが仇になってしまい、自分のスキルで
今の状況を打破しようと素早い動きで翻弄させながら
エディールの元に向かうけれど……
エディールは何の攻撃もせず、無表情でハディーサの右腕を
彼の鍛えられた身体の部位の中で一番脆く
心臓に近い位置に差し伸べる。
ハディーサ、エンディアにとってエディールは
かけがえのない大切な人であり、絆を深めた親友でもある。
同じ出身地である小町「エジェテール」。
確かにカインドフォースのメンバーとは違い、裕福な家庭環境で育った訳でもない。
実際に遊べる友達も0人だったけれど、
とある日彼等と出会った事により、笑顔が自分の中で再び出来るようになったり
こんなに毎日が楽しいと思ったに違いない……。
しかし、闇に落ちて以来
闇を携えて計画を執行する者として
動いている為、どんな状況にも動じない心を兼ね備えてしまった。
そう、例え自分が大好きだった友達に殺されても……
右腕を離さないようにガシッ と掴み始め
チーム「カインドフォース」として
沢山の活動をして来た日々が走馬灯のように蘇って来て
少し涙を流しながら死を覚悟していた。
しかしながら、「このままではヤバイ!」と察した
エンディアはリーダーとしての責任を感じ、自分自身がエディールが
繰り出した技を喰らう事を決意し、横からハディーサをタックルし、
無事に阻止する事は見事に成功したけれど……
熱い男エンディアはXの形で飛んできた
禍々しい闇を纏った斬撃が腹部にクリーンヒットし
飾られてある振り子時計の方向に飛ばされてしまい、壊しながらも倒れ込んでしまう。
振り子時計が壊れた拍子で、落ちて来た長針と短針が
エンディアの両足に グサリと刺さってしまう……
急いでエンディアの元に涙を流しながら駆け付けたハディーサ……
何度も何度も身体を揺さぶるけれど、決して起きはしない。
そう、彼はいつの間にか気絶してしまっていた。本日2回目。
1回目は悪に染まっていたローウェンがコックブロットを投げ付けてきた時の出来事。
しかしながら彼はもう良心を取り戻し、もう悪に屈するのは止めたと決意した。
その為、彼が気絶から起ち上がって欲しい為
エバスやローウェンが熱い台詞を言おうするけれど……
鋭い目付きで腹を抉るようにパンチを入れ
前腕で首元を抑えつけ、床に叩き付ける……
そして更に腹部に全体重を乗せ、工場にある
プレス機で押し付けられるかのように、エディールの両足で踏み付ける。
例えハディーサが笑顔で対応しても
彼の闇は深淵。もう辿り着く所まで到着してしまった為
何を言っても無駄、無意味……
バタンッ
次々に倒されて行くチーム「カインドフォース」の男性陣。
取り残されたのはエバス、ニリア……ローウェンに書斎で倒れ込んでいるヴィーバ。
けれど、エバスの様子も何処か可笑しい……。
そう、エディールがこの豪邸に来た本当の理由は
ヒルハイドタワーで起きたアルクの蘇生、そして……
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ここはヒルハイドタワー最上階……
両腕からポトポト と大量出血しながら、磔状態で浮遊しているオルーム。
別に良いじゃん。磔状態にしたんなら逃げられない……
所詮、誰かが助けに来た所で浮遊しているから誰にも助ける事が出来ない。
やはり、エディール様の闇の力は素晴らしい……!
なあ、オルーム。お前もそう思うだろ?
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ここは古城「フィンディル」――。
皇帝が座っている玉座の後で磔になって、
ヒルハイドタワー同様に浮遊しているシルディートの姿が見受けられる。
常に仮面を付けて組織「アンドルディシア」や
幹部「マイティ―ダーク」と交流している為、
本当に顔バレしているのはドルシードとオルーム、2人だけ……。
ワイングラスを傾け、玉座に深々と座っている皇帝――。
常にどんな表情で皆と接しているのか分からない状態……
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そして場所は戻り、一等地ヴィバールにあるエバスの豪邸――。
大広間に突如として現われたエディールと
対峙しているのはローウェンと……
エディールの背後に突如として現われた
禍闇特有の煙の中にエバスを引き連れて消えて行く……。
そして大広間で倒れ込んでいるのは……
ニリア
ローウェン
ヴィーバ
そしてチーム「カインドフォース」の男性陣……
エンディア
ハディーサ
虚しくも完全敗北――。