冷たい彼女がいきなり方言女子に
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町内会長さんの情けないフォローであなたの名前が「とね・りこ」というのだと察しがつきました。
名前に漢字をどう当てればいいのか、いろいろと考えていた僕の頭を現実に引き戻したのは、急に方言アクセントになったあなたの、ちょっと横柄な口調でした。
町内会長さんは口を尖らせて答えましたね、目をそらしながら。
どちらかというと、当然、そこそこレベルが高くて、授業料を払わなくていいほうが魅力です。
しかし、訳あって急に引っ越したので、定員の厳しい公立ではなく、何とかなる私学に入らざるを得なかったのです。
少し惨めになりましたが、そんな気持ちは、あなたの知ったことではなかったようです。
パイプ椅子の倒れる音が、稽古場一杯にけたたましく響きました。
立ち上がったあなたは、冷たい眼差しで僕を見据えていましたね。