田舎町の情報セキュリティ
文字数 457文字
僕はその足で、町内会長さんの自宅を探して走りだしました。町内の要所要所には、どこに誰の家があるかという見取り図の掲示板が堂々と並んでいます。
手近な見取り図に従ってたどり着いた先は、古い駄菓子屋でした。
……そんなことは、どうでもいいですよね。結構つらいことを思い出しながら書いているので、勘弁してください。
さて、薄暗い店先を通り抜けたところにある畳の間では、町内会長さんがドテラを掛け布団代わりにして、見るからに温そうな春ゴタツで昼寝をしていました。
声をかけると、目を覚ました町内会長さんは、すぐにドテラを羽織って起き上がりました。
まるで就学前から知っているかのような気安さでしたが、僕はかなり思い切って頭を下げました。