豹真の挑戦
文字数 412文字
話をろくに聞いていないのに気付かれたみたいでした。
やっぱり、受験生の気持ちは経験してすぐでないと分からないものですね。
すぐに帰ろうとしたところで声をかけてきたのは、相変わらずぶすっとした樫井豹真でした。
遠くて近いは田舎の道、とはよく言ったものです。
着いた先は、公民館からだいぶ離れたところにある、山肌を削った採石場でした。
人家のあるところなどとうになく、あるのは舗装もされていない道と、ごろごろ転がる大きな岩だけです。
どう考えても関係者以外立ち入り禁止の場所です。