あいつをどう思ってるか知らないが
文字数 221文字
四十万(しじま))町、私立勿来(なこそ)高校の始業式前日のこと。
桜の花びらが舞い散る朝、白壁に囲まれた旧家の厳めしい門の前から、小柄な少年が駆け去っていく。
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檜皮和洋(ひわだ かずひろ)
父と共に不思議な力を秘めて流浪する少年。頭はそこそこ切れるが引っ込み思案で、自分も他の人も傷つけるまいという思いから、常に重大な決断を回避しようとする癖がある。
しかし、追い詰められて発する力は地球の大気をも震撼させる。
樫井豹真(かしい ひょうま)
超自然の力と屈折した思いを秘めた、小柄ではあるが危険な少年。冷酷非道に見えるが、それは自分の力への誇りと、同じ力を持つ者たちへの熱い思いによる。
刀根理子(とね りこ)
冷淡な言葉の裏に、激しい上昇志向を秘めた少女。自分には厳しいが他人にも厳しく、たとえ年長者でも、直面する問題から逃げることを許さない。物静かだが、時機を捉えれば、やるべきことをやり遂げる。
ただし、最小限の手間で……。