父の一喝
文字数 443文字
僕は言葉を遮りました。昔のことは、申し訳なくて父に言わせるわけにはいかなかったのです。
とにもかくにも、これで「僕が自分の非を認めて充分に反省した」という状態になったので、僕は痺れる足をこらえて立ち上がりました。
今回の話にははまだ続きがあったのです。一喝されて再び着座した僕は、父のまなざしがいつになく厳しいのを感じました。
こんな目で見つめられるときは、たいてい僕が致命的な失敗をやらかしたときです。
そんなわけで、僕も神妙な気持ちになって父の叱責を待ちました。
ところが、僕が聞かされたのは意外なことだったのです。
さすがに僕もむっとしました。言霊を使ったのも、いさかいを避けるためです。
そこは気持ちを抑えて丁寧に事情を説明しましたが、父の怒りは収まりませんでした。