男同士で感じる屈折
文字数 392文字
何だか気の毒でフォローの言葉もありませんでしたが、彼は自己完結してくれました。
小さな町の神楽ひとつのことですが、それだけに何だかいじましくて、僕は話をそらしました。
そんなあり得ないことは鼻で笑われても仕方がないのですが、豹真は結構、大真面目に答えました。
自信たっぷりに。
その裏には、背の低さのせいで年相応のことができないことへの、いじけた気持ちがあったでしょう。何だか、フォローしてやりたい気持ちになりました。
そんな言葉がとっさに出たのは、広い世界の中で同じ言霊使いと出会えた安心があったからかもしれません。心なしか、彼の頬も緩んだ気がしました。