理子と母と
文字数 489文字
幼い頃は何とも思いませんでしたが、年月が立つほどに、他の子供たちとの違いを感じるようになりました。
言霊というものを使う人がこの町にいたらしいということも母から聞きましたが、いつのことかも分かりませんでしたし、そもそも互いに関わるものではないと言われてもいたので、気にすることもなく、ひたすら母に従って、この家に伝わる業を学んできたのです。
私が母と腰を下ろした山のてっぺんに、香り高い風が吹いてきたのを覚えています。
あるいは……。
疲れきったところで雨が降ってきて、慌ててバスで帰りました。
それから……。