人と人とのつながり
文字数 477文字
その言葉は、僕を引き留めるためとも、また、諦めたためとも取れました。
ただ、続く言葉には正直、胸が痛みました。
おんなじくらいの年の人は、電話でもインターネットでも、喫茶店でお茶飲んでもつながれる。ほうやけんど、ほれだけやと、ここは住むだけの場所になってまう。こういうことを仲間でやらんと、人は年の差でつながれんのんや。
横のつながりは、たぶん、そんなに難しくはないのでしょう。しょっちゅう引っ越していた僕にはありませんが……。
でも、同世代だけでは、人は人としてつながれないのです、たぶん。
しょっちゅう引っ越している僕や父は気楽なものですけど、ひとつの場所に腰を落ち着けようとしたら、もっと年長の人々や若い人たち、はるかに幼い子どもたちとも向き合っていかなくてはならないのでしょう。
つぶやきに対して、僕は何も答えられませんでした。豹真の出生も、町内会長さんの自責の念も、僕には重すぎました。
そう言って、帰るしかなかったのです。