方言女子の心遣い
文字数 349文字
やがて、町内会長さんが汗を拭き拭き戻ってきました。
僕たちだけが残った公民館の中に座り込んで、それはそれは深い溜息をつきました。それを聞くと、さすがに声をかけるのもためらわれました。
そこで動いたのは、理子さんでした。
あんなアクセントでは決してOKできないということは、分かっていました。妥協してくれたんですね。今でも本当に感謝しています。
町内会長さんが苦笑したのを覚えています。たぶん、厳しい理子さんが内心、しぶしぶ譲ってくれたのが分かったんでしょう。
こうして、その日の練習は、3人だけで再開されたのでした。