僕の誇り
文字数 460文字
間髪入れずに言葉を返すと、豹真は僕をまっすぐに見据えました。
反論が自然に口をついて出てきたとき、僕は豹真の顔から目をそらしていました。あの歪んだ笑みを思い出すのが嫌だったから、というのもあったでしょう。
でも、むしろ、考えていたのは理子さんのことです。前日の大雨の中でまっすぐに立ち尽くしていた、理子さんの姿です。
全く気にはなりませんでしたが、無視もできませんでした。
それは、幼い頃から父に叩きこまれてきたことです。