豹真の怒り
文字数 433文字
罵詈雑言が飛んできましたが、やりすごせば済むことです。
勝負どころは、そこではないのですから。
しかし、僕がやりすごしても、正面から受け止める者がいたら意味がありません。
ブチっと切れたのは、どうやら横笛の音だけではなかったようです。
喚き散らした甲高い声は、豹真のものでした。
CD操作を投げ出して、僕を怒鳴りつけていた大人に迫ります。
遊んじゃいねえだろ、やってんだろ、『なんじ』って言えねえだけだろ、出来ねえことをやらねえって決めつけてんじゃねえよ、だから家ん中でもカミさんや子供に相手にされなくて、こんなところでブラブラしてんじゃねえの?
これには他の大人たちもカチンときたらしく、一人、また一人と豹真を取り囲み始めました。