豹真の素性

文字数 227文字

 同じ言霊使いがそんなに簡単に出会うものか、と思うかもしれませんが、僕たちの同類は結構、あちこちにいます。お互いに連絡を取り合い、血筋と技を受け継ぐには何かと不便の多い世の中を、助け合って生きているのです。

 実際、僕と父がここへやってきたのも、仲間内の紹介があったからなのです。

……お前より一つ年下の言霊使いがいるらしいぞ、もう。
どんな子?

俺の死んだ友達の息子でな、母親も早くに亡くなって、親戚の家に引き取られてる。

もちろん、素性は隠してるがな……。

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登場人物紹介

檜皮和洋(ひわだ かずひろ)

 父と共に不思議な力を秘めて流浪する少年。頭はそこそこ切れるが引っ込み思案で、自分も他の人も傷つけるまいという思いから、常に重大な決断を回避しようとする癖がある。

 しかし、追い詰められて発する力は地球の大気をも震撼させる。

樫井豹真(かしい ひょうま)

 超自然の力と屈折した思いを秘めた、小柄ではあるが危険な少年。冷酷非道に見えるが、それは自分の力への誇りと、同じ力を持つ者たちへの熱い思いによる。

刀根理子(とね りこ)

 冷淡な言葉の裏に、激しい上昇志向を秘めた少女。自分には厳しいが他人にも厳しく、たとえ年長者でも、直面する問題から逃げることを許さない。物静かだが、時機を捉えれば、やるべきことをやり遂げる。

 ただし、最小限の手間で……。

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