96 リズムが弾けた草奈伎神社

文字数 2,910文字



 神宮の境内に流れる五十鈴川。多度大社の境内に流れる落葉川と同じく禊ぎ川。
 川名の語源は諸説がある。
 神話で、伊勢(イセ)の語源は磯(イソ)でなく、イセヒコさんとある。つまり伊勢国に流れる川で、イセの川、五十鈴川。強引。かつて出雲国のタケヒコが店長(サダヒコ)とともに移り、イセヒコと名のり、古の戦で水軍を率い、イワドノヲに討たれたイセヒコさん。オオクニヌシさんも、ミナカタヌシさんも、店長も、トミビコさんも、ワカフツヌシさんも、さらに認めたくなかったけれどタカヒメも、さらにさらに認めたくなかったけれどクエビコさんも、認めたイセヒコさん。
 そして天河神社(天河大辨財天社)の神宝。五十鈴という。天ノ岩屋神話で店長の妻神が舞った時に持った祭具の鈴。祭で巫が神楽を舞う時に持つ神楽鈴の原型。禊ぎ川で身を禊ぎ、鈴の音で心を浄める。のちに神楽鈴は神社の拝殿にある本坪鈴となる。天河神社は奈良県吉野郡天川村坪内に建つ。神様を呼ぶ呼鈴でなく、神楽鈴に代わり。セルフサービス。天武天皇と役小角(賀茂役君)が創建に関わり、空海が当社で修練を積んで真言宗を起こしたという。社伝で内宮の禊ぎ川の川上の神様を当社に分け祀ったと伝える。そして禊ぎ川のせせらぎが鈴の音に似てたため、五十鈴川。
 ついで。天河神社の祭神はミナカタヌシさんと関わる宗像大社、タカヒメと関わる厳島神社、近江国の鍛冶族やハタ族と関わる宇佐神宮と分祀の石清水八幡宮や松尾大社、さらに辯才天(辨財天)と同神(同佛)となって神奈川県の江島神社、滋賀県の都久夫須麻神社(竹生島神社)、さらにさらに御饌の神様ウガメ(ウガヒメ)と同神となって伏見稲荷大社、さらにさらにさらに出自不明の蛇神の宇賀神と合わさった神様。さらにさらにさらにさらに戦勝神、鎮護国家の神様となる。なんの神様かわからない、わけわかめな神様。
 そしてたくさんの鈴石(褐鉄鉱石)が採れる川で、五十鈴川。河岸に内宮の末社の葭原神社(式内社の荻原神社の比定社)が建ち、祭神は葦原の神格化。砂鉄も採れる川。
 一説に空海が神宮と関わったのは丹砂でなく、砂鉄。朝熊山に勝峰山金剛證寺が建つ。朝熊山も砂鉄が採れる。

 朝熊山の山頂で伊勢海が見わたせるらしい。富士山が見えるらしい。イセヒコさんが好きだったらしい。三重県に行ったら登ろう。見よう。



 古の戦で、天ツ軍は出雲国を潰すための西の軍と、大和国を奪うための東の軍に別れた。紀伊半島の中央に大和国があり、南西に紀伊国、南東に伊勢国と志摩国。さらに天ツ軍の、東の軍の目的は大和国のほかに、征東の要衝地として伊勢国と志摩国もあった。
 のちに征東軍は紀伊半島から伊豆半島、房総半島へと渡った。東海道。
 国ツ軍も西の軍と東の軍に別れた。東の軍は国ツ神のにわか合縦連衡の軍。天ツ軍進軍前は、たがい国を奪い、護り、戦い合ってた。国利と関わらないオオクニヌシさんが仲介役として東の軍将となった。
 東の軍師のクエビコさんは、天ツ軍は瀬戸内海を渡り、河内国から大和国へと進むと考えた。河内国草香にトミビコ軍の陣、大和国龍田に東の本陣が構えた。
 外海(太平洋)からの進軍も考え、伊勢国答志島にイセ水軍の陣、伊勢国山田にサダヒコ軍の陣が構えた。不在の店長に代わり、ふたつの軍はイセヒコさんが率いた。
 朝熊山の山頂に立ち、イセヒコさんはイセ水軍の軍船を見わした。



 大間国生神社の祭神の後裔一族、外宮に奉じる一族が伊勢海の海人族をまとめる。伊勢国を治める。高天原の日神に御饌(贄)の神様を献じた一族。イソのクモ衆。
 博多祇園山笠、博多松囃子(博多どんたく)で有名な福岡県の櫛田神社に櫛田大神という別名で祀られる。櫛田神社だけど、祭神はイナダヒメ(クシナダヒメ)でない。三重県の櫛田神社の分祀。三重県の櫛田神社は、初代斎王の倭姫が櫛を落とした櫛田川の川岸に建つ。なんで櫛田神社にオオハタヌシを祀るんだろうか。なんで倭姫とオオハタヌシが関わるんだろうか。なんで三重県の神社と福岡県の神社が関わるんだろうか。
 伊勢国の神話で、11代垂仁天皇の時代に高志国で叛乱が起き、大間国生神社の祭神が平国を行ったという。
 外宮の宮伝で、当地は竹田之国と呼ばれ、大間国生神社の祭神が治めてた。訪れた倭姫と遇ったとき、櫛を落として櫛田となったという。のちに高志国平国の武功を讃え、倭姫が櫛田神社に祀った。または当地を倭姫に譲り、礼に櫛田神社に祀った。大間国生神社の祭神の本貫地の福岡県(筑前国)に分祀として櫛田神社を建てたという。
 大間国生神社の祭神は、のちにオオハタヌシと名のる。船頭に大きな幡を掲げたので、オオハタヌシ。
 葭原神社も関わるらしい。葭原神社は内宮別宮の月讀宮の境内社。櫛田神社は伊勢国多気郡(竹郡)に建ち、別名は竹取の神社。月と竹に関わる。イセヒコさんは出雲国のタケヒコ。タケの一族の長だ。妹は、たしかササヒメと言ってた。ササの姫だ。さらにササは砂鉄。流れる川砂鉄を掬う姫だ。

 髪は[神]を表す。髪刺は神刺。神霊を髪に結いとめ、悪い精霊(モノノ怪)を祓う。若き巫は髪を伸ばす。長いほど、霊威は強くなる。竹で作る櫛も[奇し]を表す。1日で1Mも育つ竹の強い霊威に肖る。歴代斎王は櫛田川に櫛を捨てる。つまり娘(女)を捨てる。神様に仕える巫となる決意。イナダヒメは斐伊川の川神(八岐大蛇)に仕える。歴代斎王は高天原の日神に仕える。



 櫛田神社の近所(福岡市博多区)は神功皇后を祀る神社が多い。香椎宮、筥崎宮、そして住吉神社が建つ。日神生誕神話で、イザナギが禊いだ筑紫の日向の橘の小門(小戸)の阿波岐原に建つ住吉神社。住吉神社の本社は大阪府大阪市の住吉大社。当社は住吉神社の元社。アヅミ族とともに九州北域から瀬戸内海を渡り、難波ノ海(大阪湾)へと移った海人族。のちに近江国の鍛冶族となり、応神系皇統、継体系皇統に順(マツラ)う。
 近江国の鍛冶族も、オオハタヌシの一族も、月と竹に関わる。
 伊勢国多気郡も隼人のアタ族が移り住む。月神を祀る神社が多い。だけどツクヨミでない。アタ族の崇める月神でない。

 竹取の翁の物語。
 帝と翁はかぐや姫を失い、かぐや姫は記憶を失う。大和国は穢れた地で、かぐや姫は月へ還る。一説に月は羽衣神話の丹波国(丹後国)という。かぐや姫が還らないように、帝の軍が前方を塞ぐ。外宮の、御饌(贄)の神様が逃げないように三方を塞ぐ。
 丹波国は山陰道と北陸道と、畿内の要衝地。国ツ軍と天ツ軍の緩衝地。さらに丹砂が採れる。砂鉄が採れる。のちに丹波国、但馬国、丹後国に別けられる。
 天橋立のある丹後半島の丹後国。与謝郡の籠神社(真名井神社)が、外宮の神様の出自として有力。ニギハヤヒと同神のホノアカリを祀り、ヤマトのアヤ(ヲハリ族)と同族の海人族が奉じる。

 あれ、なんかリュトモス(リズム)が現れる。パルス(バルス)が弾ける。
 リーテ・ラトバリタ・ウルス アリアロス・バル・ネトリール。
 闇よ閉じ、光よ蘇れ。そして私を助けよ。
  だれが私を助けてくれるんだろうか。だれが論説を終わらせてくれるんだろうか。
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