53 私は夢で眠る・後篇

文字数 1,865文字



 糸魚川静岡構造線は諏訪湖を越えると天龍川でなく、安倍川餅で有名な安倍川に沿い、駿河湾へ至る。諏訪湖の水は天龍川へ、構造線は安倍川へ。ただし地表で断層が見られないため、安倍川の川岸に諏訪神社が少なく、浅間(センゲン)信仰の浅間(センゲン)神社が多い。諏訪信仰は、諏訪湖の水とともに天龍川へ。
 だけど。
 じつは天龍川の諏訪神社は石神信仰でなく、天龍川の祟り神を鎮める神社。天竜川も暴れ川。とくに川上は水害、土砂災害が多く、諏訪神社が多い。

 諏訪大社、諏訪湖、諏訪国が石神信仰の発祥。西日本へ、東日本へ、断層(中央構造線)に沿い、広がる。なぜ、断層の見えない東日本へ広がったのか。

 石神は狩猟の縄文時代と農耕の弥生時代の境目に現れた神様。
 石神(イシカミ)は、噴火で現れた噴石(巨岩)、地震で現れた露頭(巨岩/断層)の神様。噴火や地震の畏怖と畏敬。
 東日本で起きつづけた噴火で現れた噴石。地震で現れた露頭。石神(シャクジン)は、鎮火信仰、地鎮信仰とともに火や地を鎮める神様となる。
 噴火や地震で農地はダメになる。石神(シャクジン)は火や地を鎮める神様となる。
 石棒の神様、シャクジン。

『じ、神武征東神話で、熊野で塞ぐ国ツ神は、なぜか女神。または女の族長、だ。巨岩信仰は、地の、古の神の生気や生力の畏敬だ。水も、く、草木も、地から生じ、地へと還る。そして再び生じる。出生と死。さ、再生や甦生の祭、だ。祭を司る巫が族長となり、母系血統の女が長を、信仰を継いだ。天ツ神は、順(マツラ)わぬ巫がジャマとなる』

  イシカミ信仰は、火の力を、地の力を母子に与える信仰。今はなくなったけれど、産屋に火をつけるならわしがあった。昔は出産による母子の死が多く、出産は命がけ。血を、命を繋ぐための信仰。[祀]の[巳]の字源は胎児、新生児の説もある。死んでしまった胎児、新生児の甦生を願った。
 噴火が起きると行われた祭。火の力で地の生気や生力を、水の、草花や木の、色々な虫の出生と死、再生や甦生を祀る祭。
 イシカミ信仰の祭は、……お、女のアレと、男の、ア、アレの祭。男岩と女岩、男山と女山の間で行われる、……エ、エッチの祭。


 佛教の影響で、赤火により赤穢(血穢)を浄める信仰と変わる。
 岩漿(マグマ)は大地神の穢れた血。鎮火信仰、地鎮信仰とともに、赤穢を人の点けた赤火により浄める信仰と変わる。

[地]の字源はつちへんに[也]の会意&形声文字。[土]の字源は、地の神様を祀るため、ツチを盛り固めた象形文字。地の神様がさきにある。盛り固めた処に社が建つ。
 水も、草木も、虫も地から生じ、地へと還る。そして再び生じる。天と違い、地は出生と死、再生や甦生の象徴となる。
[天]の字源は[大]の上に頭(一)を付けた象形文字。もとは人の頭で、さらに頭の上のなにもない遠い彼方となる。なにもない広い海(アマ)となにもない高い天(アマ)は同じ。なにもない遠い彼方に神様が顕れたのは、農耕の時代。高天原の日神。蕃神。
 では、地の神様の正体は。
 [也]は蛇。または女性器の象形文字という。なぜか蛇神は女神(地母神)が多い。

 大地に石棒を挿して鎮める。
 つまり、シャクジン信仰の祭は、……お、女のアレに、男の、ア、アレを挿して鎮める。
 さらに農耕の時代となり農地開拓の、農作(稲作)のため、多数のサルが必要となる。農地を広げるため、隣のサルの農地を襲うため、多数のサルが必要となる。農耕による定住化で村(ムラ社会)ができる。権力のあるボスザルは、さらに精力を蓄える。
 石棒は、……男の、ア、アレの形となり、祀られる。
 ボスザルも、異装の神様も、オオクニヌシさんも、みんなヤりまくり。
 私はコホンと咳。ストップ下品なネタは、終わります。

 祭祀主は巫から覡へと変わり、母権からから父権へと、母系から父系へと変わる。
 多産、豊穣の祭。産めよ殖せよ国(村)のため。祭祀主のため。



 征夷軍は諏訪大社でミカヅチヲの目線で征夷祈願を行った。
 やがて征夷軍の軍事貴族は東国に留まり、坂東武者(武士)となり、剣を西国の権威に向ける。ミカヅチヲに負けたけれど、天ツ神に剣を翳したミナカタヌシさん。ミナカタヌシの目線で武神として崇められる。やがて石神信仰は、諏訪信仰となる。

「……ミナカタヌシさんは……き、きっとかっこいい……神様なん……」
 頭は考えることを拒み、手はスマホを弄ることを止める。



 長野県諏訪市でフネ古墳が見つかる。
 2基の棺と2振の蛇行剣があり、同時でなく、別時に葬られたという。
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