49 フビンな女神・後篇

文字数 634文字

『ただ、原因は高天原にあり、天ツ神が変化の修理固成のため、降りるだろうと』

 世界の変化で私は現世に現れた。世界の変化と私は、なにか関わってる。
 だけど世界の変化で私が現世に現れたんだから、原因でない。
 ならば私が、ツクヨミが変化の修めかたを知ってるか、修めるものを持ってるか。

『剣璽を以ち国ツ大神と成る。神剣は行方不明だけどー、神璽は姫様が持ってるはず』

『イザナミさまが、腕輪はスクナヒコの憑代ですが、本来はツクヨミさまの心と命の憑代と仰ってました。大事に、決して離さないように、と』

 ブレスレットを夜天に翳す。緑色の翡翠のさきに、銀色の月が見える。
 ブレスレットは母さんも、昔のツクヨミもつけてた。
 ブレスレットは母さんの、代々のツクヨミの心と命の憑代。ニギハヤヒの捜してた神璽。国ツ大神のレガリア。世界の変化の修理固成の鍵という基本設定。だから私を狙う。
 そして世界の変化で、私に誘われて国ツ神が現れる、集まることを恐れてる。だからツクヨミの記憶と神威が戻る前に襲う。
「なんか飛行石みたい。リテ、ラトバリタ、ウルス、アリアロス、バル、ネトリール」
 神言を唱えるけれど、なにも起きない。私はシータでない。
 飛行石の力と、超科学技術で天空から地上を治めた古代帝国ラピュタ。だけど疫病がはやり、天帝は地上へと降りることを決意。
「あとは台風の神様であり、疫神であるスサノヲさんか。だけど私が女神とわからなかったくらい、鈍感筋肉神」
 私のパズーはいないのか。なんか不憫な私。
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