70 絵になる熱田皇大神宮・後篇

文字数 732文字



『け、権威の力を以て正当(正統)な権力と、成る。武力だけで、な、成らない。ただ、戦いつづけるだけの、バカ。の、脳髄がチョー弱い』

 力は衰える。または古い力は新たな力に潰される。武力による権力は衰える。衰えないための力。潰されないための力。権威の力。では、権威はなにか。

 人は神威に、神様の威力に畏まる。人は崇める神様を信じ、戦う。
 人は神様と違い、長く生きられない。衰え、死ぬ。
 空間だけでなく時間までも治める超越な、隠然な存在の威力。人の力が及ぼない絶対な存在の威力。 人が畏まる大いなる存在の威力。

 傍流ながら主流であった上宮王(厩戸王・山背大兄王)の滅亡を高向王に聞いた。蘇我氏の滅亡を思いだした。嫡流である大友皇子を滅ぼす転機。天機。  
 どんな神様だろうと、どんな神性だろうと、日神でなかろうと良かった。
 養父に曰く、大友皇子を滅ぼす正当な理由が欲しかった。養父はアヅミ族の支族。まずはアヅミ族の力が欲しかった。大海人皇子は養父の崇める日神に戦勝祈願を行った。

『お、己は、神意に依った正当な謀叛であり、は、叛乱である。神威を以った正統な権威は、お、己にある、と言う。笑える』



 そして近代、天武天皇と同じような政策が行われた。

『し、神話に合わせ、巨石信仰の古の神はイザナミとなった。イザナミとして祀った。古の神を、地母神イザナミとして地鎮(トコシズメ)の岩で、か、隠した。明治政府の、神話の上書保存だ。天武が正当を曰うための、古の神や国ツ神を順わせるための神話。明治政府は、国家神道の根本として神話の上書保存を行った。高天原の日神の正統と、皇統の正当を曰い、人を順わせる、国を治める神話とした。千引石は、維新前の神々を鎮める神鎮(カムシズメ)の岩、だ』
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