60 女神の祝い酒・後篇

文字数 642文字

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 神代の神話は、古代、そして現代の史話と繋がる。
 出雲国造神賀詞により、出雲国の神話は神話と合わさる。熊野大社の祭神は、神話のスサノヲさんとなる。杵築神社(出雲大社)の祭神は、神話のオオクニヌシさんとなる。
 杵築神社も、熊野大社も、ほんとうの祭神はわからない。記録も記憶も残らず、すべて隠される。だれのために。



 オオクニヌシさんは、主神ミホメとともに丹波国一宮の出雲大神宮に祀られる。旧名は出雲神社。出雲大社は、明治時代前は杵築大社。出雲神社といえば出雲大神宮だった。
 オオクニヌシさんはミホヒコ(三穂津彦大神)。ミホの婿神。入婿。配神にホヒヒコの子神。つまりイヅモ族の奉じる神社。
 社伝で、オオクニヌシさんは中ツ国(出雲国)も譲り、710年に出雲大神宮の分祀の杵築神社(のちに杵築大社・出雲大社)に鎮まったと伝える。出雲大神宮は大和国と出雲国の間に建ち、出雲国譲渡が行われたという。そして712年に大和国からの神話(古事記)の撰上、716年に出雲国からの出雲国造神賀詞の奏上。譲渡契約。
 出雲大神宮は御蔭山(御影山)の山麓に建つ。境内に火山活動による湧水(泉)がある。ほんとうの祭神は山神、または富士山本宮浅間大社と同じように水神。
 美保神社も、出雲大神宮も、ほんとうの祭神はわからない。すべてイヅモ族が隠す。だれのために。

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『はっははははッ。笑えるッ。すべてアタイのモノだッ。祝い酒だッ。はっははははッ。フヌケ天神もッ、ミカヅチヲも笑えッ。酒を吞めッ。はっははははッ』
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