73 合わせて駆け巡る高座結御子神社

文字数 740文字



 熊野速玉大社の祭神の速玉神と牟須美神(結神)。イザナギとイザナミさまの説と、ホノアカリ(またはニギハヤヒ)とタカクラジさんの説がある。
 タカクラジさんを祀る高座結御子神社。熱田神宮と同時創建。祭神は熱田大神の子神。
 高座(高御座)は天皇の御座所。高座結御子神は、高座とヲハリ族を結ぶ神様。または高座の下に座る神様。またはまたは高座に座れなかった神様。
 天武天皇の子の高市皇子を思いだす。大和国高市郡で育ったので高市皇子。ヤマトのアヤ族の本拠地。檜隈の姫。
 そういえば35代皇極天皇(重祚で37代斉明天皇)の宮所(岡本宮)も、大和国高市郡明日香村雷岡。檜隈の姫が天ツ神に譲った地だ。オオクニヌシさんは檜隈の姫に神威があったかなかったかわからないという。檜隈の姫の死後、ヤマトのアヤ族は葛城国(大和国葛城郡)へ移り住む。
「ま、まあ、運も実力のうち」
「神様が運なんて言わないでよ」
「い、古の戦の敗因が運ならば、あ、諦められる」
「クエビコさん」
「ざ、戯言だ。ニギハヤヒは神剣を欲した。欲しても、ダメだった。世の理(コトワリ)だ。天ツ神も蕃神(トナリノクニノカミ)も戦を好む。国ツ神は戦を好まない。戦を、こ、好まなくても、人は神のために神剣を欲し、戦う。滑稽だ。笑える」
「神話で、神武天皇は神剣を佩びてなかった。荒ぶる山神に襲われた。だけどミカヅチヲの佩剣で助かった。倭建命も伊吹山の、……なるほど、助からなかった。殺された。天運(強い神威)か。古の戦で、天ツ軍は神剣を佩びてたの」
「わ、わからない。だが、戦果は西の戦はコトシロが、東の戦はオオクニが降伏を宣った」
「……もう、諦めるんでなかったの」
「あ、諦めきれない」
 高市皇子も、倭建命も、仲哀天皇の前后の子も、諦められたんだろうか。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み