第28話2
文字数 595文字
船着き場に立った――四つん這いの澪が呟く。
船坂が落ち着いたのを確認してから、僕たちは舟で城下町まで戻っていた。
同行したのは不動と結、それから十水さんだ。
さっきから水音がしているけど、きっといい魚の餌になるだろう。
積み荷は僕たちだけではなく、十水さんの蔵にあった名物級の武具もいくつか運んでいる。
結構な量なので、どこかで荷車を手配した方がいいかもしれない。
操心館へ戻った僕たちはまず館長である広幡さんの部屋へ向かった。
労いの言葉をいただいてから、互いの状況を伝え合う。
それからまだ足元の覚束ない澪と一緒に茅葺さんの部屋にお邪魔することにした。