第27話2
文字数 741文字
咄嗟に体が動く。
〈神速〉で一気に駆ける。間に合え!
擦るような鈍い金属音。
獅童で槍の穂先を弾く。
十水さんのお腹を狙った一撃をギリギリで食い止めた。
魂が消えかねないほどの爆音と光の奔流。
世界が白く消えていく中に視た光景はとても信じられるものではなかった。
逢初は自身目指して落ちてくる雷を槍で斬り払う。
光が消えて世界に色が戻る。
鼻を突くような青臭い匂いに思わず顔を顰めた。
未来改変とか未来視以上にチートが過ぎる。
逢初の持つ槍は帯電しているようでパチパチと音を立てている。
流石に雷を斬って無傷とはいかなかったようで、全身から幾筋もの煙が立ち上っていた。