第1話3
文字数 854文字
気勢をあげて天色が距離を詰める。
深藍は手首の返しだけで弾き返す。
打ち込みを弾かれた天色が左中段に持ち替えるわずかな隙に深藍が距離を詰める。
鍔迫り合いで押し込まれないように腰を落とす天色。
互いの武具が触れ合うかという瞬間、深藍が体を捻った。
それを嘲りと取ったのか、ほの香姫が吠えた。
振り返る天色は薙刀を左中段に構え、間を置かずに仕掛ける。
連続して繰り出される攻撃を深藍はジリジリ下がりながら受ける。
流れるような中段から下段、さらに上段中段下段へと続く連続技。
しかしそれらの攻撃が深藍に届くことはない。
この世界へやってきてすぐの頃に僕は梅園さんと模擬戦をした。
こちらは
結果は言わずもがな。一方的なものになった。
だけど最後まで諦めない梅園さんの姿には感銘を受けた。それは観戦していた不動も言っていたことだ。