第14話2
文字数 777文字
中はそれほど広くはない。
部屋は畳敷きで部屋の中心に
囲炉裏の前に小柄な少女が座っていた。
年の頃は十代半ばほど。
薄く青味がかった銀髪は後ろで一つに編み込まれている。
海の底のような瑠璃色の瞳。目元には瞳と同じ色の鱗らしきものが光っている。
小さな口は機嫌が悪そうに尖っていた。
左右が別の模様で仕立てられている小綺麗な小袖姿だ。
須玉匠の娘さんだろうか。
上り框に腰を下ろして履物を脱ぐ。
土間に水の入った桶があったのでそれで足を洗わせてもらった。
それから思い思いの場所に座ると、少女は「フン」と鼻を鳴らした。
改めて彼女を見る。
白い肌は染み一つなく、二百年の人生を積み重ねた皺は一筋も見当たらない。
背筋を伸ばして座っていても小柄なのはわかる。どう見たって童女だ。
とても二百年を生きている人物には見えない。