第19話4
文字数 1,052文字
だけど大きさは一回り以上小さい。形も異なっているようだ。
ニヤリと笑った十水さんは反対の手も開いて見せる。
そこにも水縹色の勾玉が乗っていた。
大きさと形から見てこちらが本物だろう。
右手に小さめの勾玉、左手に本来の水縹の勾玉を持った十水さんはパンと音を鳴らして両手を合わせた。
その瞬間、眩い光が手の中から溢れ出す。
これはゲームにおいてキャラクターを重ねて上限突破をさせるようなものだ。
ゲームシステムをこう解釈するとはエレガントな処理だと感心するしかない。
受け取った勾玉を澪はかき抱く。
紅寿と翠寿も澪の隣で嬉しそうに笑っていた。