第2話2
文字数 798文字
連続した突きを天色が放つ。
深藍は慌てない。
左右に体を揺すってかわし、後ろに飛んで間合いを切る。
彼女の兄である
たまたま城下町で知った新しい製法による人形が近々発売されることを報告する際、試作品をお披露目するのと同時にほの香姫が天色の機巧姫の連れ合いになったことを伝え、操心館へ入れてもらえるように交渉をするはずだったのだ。
新製法の人形は手、足、体、頭という部位ごとに製作するというものだ。
しかも各部位を型取りし、陶器として焼き上げる。
こうすることで量産ができ、しかもパーツの組み合わせである程度好みに応じた人形を作れる画期的なものだ。
三桜村での戦いから既に三週間あまり経っていた。今も関谷は霧峰に狙われている。
霧峰とは
幸い二度とも追い払うことに成功している。
霧峰は大国だけあって擁する機巧武者も多い。
早いうちにこの戦力差をなんとかしなければならなかった。