第21話3
文字数 627文字
部屋に残っているのは、ほの香姫、筒針さん、僕、それから澪だけだ。
葵たちには別室に控えている。
奥山田さんも関係者と間違われて道中で襲われる危険を考えてこの屋敷に留まってもらった。
つまり組分けはこうだ。
僕、葵、翠寿。
ほの香姫、天色の君、筒針さん、澪、紅寿。
筒針さんの口調に面白がっているような様子はなく、真剣味が感じられる。
これでもかという具合に尖がっていたほの香姫の口先が開くことはなかった。
澪は献杯の時に口をつけたきりだった盃を置いた。
盃の中で揺らめく酒に蝋燭の明かりが煌めいていた。