第17話4
文字数 456文字
紅寿は手槍を持っていた。
穂の長さは一五センチほど、柄は一五〇センチ程度の短槍だ。全長は二メートルもなく、二人の身長より少し長いくらいでしかない。
その槍をぐいと突き出すと翠寿に持たせる。
紅寿はこくりと頷いた。
見る間に翠寿の顔に喜色が浮かぶ。
二人が並んで短槍を構える。
槍衾とはいかないものの葵の両サイドを固めるには十分だろう。
クエストに行って戦闘になる展開なんてゲームではよくあること。
戦闘が怖くないと言ったら嘘になるけど、これだって貴重な経験の一つだ。