第22話1 仇討ち
文字数 905文字
閉めた障子の向こうから雨音が絶え間なく聞こえている。
殺されたのは三島さんだけではなかった。
彼と一緒に見回りをしていた家来の二人も殺害されていたのだ。
ただし殺害方法はこれまでと異なっていた。
三島さんたちの体を清め、着替えさせる際に筒針さんが教えてくれたことだ。
つまり犯人は少なく見積もっても槍使いの他に二人いることになる。
三島さんの傷にも気になることがあったらしい。
沈黙が部屋を支配していた。
幸いと言えるかどうかはわからないけど、三島さんと別班だった片寄さんと外山さんは無事だった。
とはいえ三島さんの家族とも言える人たちはもう三人しか残っていない。
ほの香姫、筒針さん、澪。そして片寄さんと外山さん。
ここにいる人以外に戦力として計算できるのは、別の部屋で控えている機巧姫の葵と天色の君。それから紅寿と翠寿。三島さんに仕えていた小者が一人。これだけだ。
額の真ん中に指を当てて考える。
相手は手練れ。数は少なくとも三人以上。
そのうちの一人はもしかすると、あの
この想定が正しければ、槍使いと一対一で戦えるのは葵ぐらいなものだ。