第26話5
文字数 668文字
また姿が消える。〈縮地〉だ。
この距離では〈神速〉を使える紅寿でも間に合わない。
獅童でお腹を狙った槍を防ぐ。
槍が横から突き出される。
逢初の姿が消え、少し離れた場所にまた現れる。
澪が矢を番える。
五対一。
刀、槍、弓と武具を各種揃え、数では圧倒しているはずなのに押されているのは僕たちだった。
逢初は右足を引いて半身になった。
まるで薙刀の八相のような構えをとると穂先が天を差す。
その時だった。
暗い空に無数の光が走る。
そして耳をつんざく轟音と共に一条の光が落ちた。