第21話1 巡回
文字数 718文字
部屋の中央に置かれた三振りの刀の周囲に僕たちは車座になっていた。
この場にいる者全員の盃がお酒で満たされる。
無言で献杯をする三島さんに倣って盃を傾けた。
これは酒宴ではない。
亡くなった人を悼む葬式だった。
侍大将よりも上位の役職となる
この八人は三島さんが生活の面倒まで見ている家族のような存在であり、戦があれば彼らを率いて参陣する運命共同体でもあった。
けれど今となっては武士が二人、小者が三人しか残っていない。
片寄さんと
先発する彼らは小者の一人を加えて三人で、三島さんは二人の小者と巡回する予定だ。