第16話3
文字数 876文字
部屋の隅で澪はまだ丸くなっている。
翠寿と紅寿はどこだろう。
外に出て伸びをする。
太陽はかなり高い位置にあった。結構、遅くまで寝ていたようだ。
声は建物の裏手から聞こえてくる。
そちらへ足を向けると天秤棒を担いだ二人がやってくるところだった。
庵に戻ると囲炉裏で料理をしている葵の隣を十水さんが陣取っていた。
葵は笑顔のまま十水さんの手を
壁を向いて寝ている澪に声をかける。
水の入った湯飲みを手渡す。
受け取った澪は神妙な顔をして飲み干した。
朝食を終えて食後のお茶を飲む。
まったりとした時間が流れていた。