第19話3
文字数 890文字
「まったく。小娘は加減というものを知らんのか。それに小僧も小僧だぞ。か弱い儂が助けを求めているにも関わらず見ておるだけとはどういう了見だ!? いっそのこと全員に雷を見舞おうかと本気で思っておったのだからなッ」
澪は心ここにあらずというか、さっきから手に乗せた水縹の勾玉をじっと見つめている。
十水さんは意地悪そうな顔をすると澪の手から勾玉を取り上げてしまう。
それを聞いて紅寿と翠寿が俯いてしまった。
そして自分の尻尾をいじり始める。
尚も言い募ろうとするけど目顔でそれを止める。
それで周囲の様子を見ることができたのか毛繕いをする二人を認めて顔を青ざめさせた。