第3話4
文字数 1,050文字
「本当は清正様と立ち合いたかったのですよ。だというのに清正様はのらりくらりとはぐらかして。嫌われているのではないかと心配していたのですけれど、それは杞憂だったのですね。こうしてほの香を労わってくださいますし。それから次にどこかへお出かけになる際には必ずほの香もお連れくださいましね。置いて行かれたこと、今でもお恨みしているのですから」
今の関谷にはほの香姫以外に機巧操士が六人いる。
普段は
操心館で
六人の機巧操士は入れ替え制で砦を守っており、十日ほど前に僕も向かった。
ほの香姫はその時に自分を連れて行かなかったことにふくれているのだ。
ゲームでそうだったように、この世界には人に害をなす巨大な動物や魔物が存在する。
ゲームでは倒すことで経験値やお金、アイテムをドロップした、いわゆる雑魚モンスターだ。
他に中ボスや大ボス的な魔物の設定もあったわけで、そういうのと戦う可能性を考えると、ほの香姫は連れて行かないという選択を取るしかなかったのだ。