第69話 裏切り
文字数 350文字
が、次の瞬間、別の銃声があたりに響いた。持っていた銃を落とし、男は手をおさえてうめき声を上げた。
「誰だ !?」
そこに立つ姿に、撃たれた男、そして唯音と悠哉は信じられないものを見るように、眼を見開いた。
銃を手に、無言でたたずんでいたのはリュウだった。
「どういうことだ、リュウ !? 何のつもりだ !?」
手もとを押さえたまま叫ぶ男に、リュウは答えない。
「仲間を撃つのか!? 裏切者!」
言葉を返す代わりに、混乱するばかりの唯音の手を引いて彼は倉庫街へと走り出した。
「唯ちゃん!」
後を追おうと立ち上がろうとして、肩の傷の痛みに悠哉はよろめいた。
倉庫の陰に二人の姿が消える。桟橋の方ではまだ銃声が続いている。
「大佐! 貴堂大佐!」
運転席から飛び出してきた部下が大佐を抱き起し、必死に呼びかけた。
「誰だ !?」
そこに立つ姿に、撃たれた男、そして唯音と悠哉は信じられないものを見るように、眼を見開いた。
銃を手に、無言でたたずんでいたのはリュウだった。
「どういうことだ、リュウ !? 何のつもりだ !?」
手もとを押さえたまま叫ぶ男に、リュウは答えない。
「仲間を撃つのか!? 裏切者!」
言葉を返す代わりに、混乱するばかりの唯音の手を引いて彼は倉庫街へと走り出した。
「唯ちゃん!」
後を追おうと立ち上がろうとして、肩の傷の痛みに悠哉はよろめいた。
倉庫の陰に二人の姿が消える。桟橋の方ではまだ銃声が続いている。
「大佐! 貴堂大佐!」
運転席から飛び出してきた部下が大佐を抱き起し、必死に呼びかけた。