第14話:無謀な行軍

文字数 3,533文字

風邪で休んだ生徒が続出している。
期末テストは予定を変更し、夏休みの最初の週に行うことになりそうだというウワサも出ている。
部活や合宿、夏休みの旅行やバイトなど生徒にもそれぞれ理由があるため、何とか回避できないか学校側も悩んでいるそうだが。

俺は処沢(ところざわ)に来ている。
それも、涼子と一緒に。

上川(かみかわ)みさとに学習用冊子セットを届けるためだ。
彼女も風邪で休んでいる。
   ◇
   ◇
   ◇
かえで先生の「お願い」というのはこれだった。


生徒2人で組んで、休んでいる同級生宅に冊子セットを届けてきてほしい。

私立のため、結構遠いところから通ってくる生徒も多い。
かえで先生は車通勤だが、1人で休んでいる全生徒宅を回るには方向が散りすぎて授業が終わってからでは手に負えないし、冊子だからファクスで送ることもできない。
これが単純なプリント類ならPDFをスマホやPCに送ることもできるんだが、冊子じゃあな。

で、俺たち生徒に役目が回ってきたってワケ。
案外人使いが荒いなとは思うが。

2人で行かせるのは、安全のためということで、親の承諾も先生が取ってくれるという。

休んでいるのは7人。
クラスで自宅が一番遠い横濱(よこはま)住まいの織川(おりかわ)はかえで先生が訪問する。
東京市内在住の穐山宅は同じく市内在住で自ら手を挙げた紀伊國が行くという。
残る欠席者は5人。
訪問に必要な生徒の数は5軒に2人ずつだから5組10人だ。

この5人のうち4人は地元・美咲や俺たちが住む彩ケ崎なので、比較的遠いのは処沢の上川だけということになる。

さすがに横濱や東京とは真逆の方向なので、かえで先生も回れない。
似た方向に帰る生徒を選抜し、くじ引きで行き先と生徒の組み合わせを決めることになったのだ。
ハズレはもちろん上川宅を回る組だ。
処沢から通っている生徒は彼女以外にはいないからだ。

くじに参加せずに済んだ反対方向の太刀川や八皇子(はちおうじ)方面の連中がホッと胸をなでおろしている。

結果は慈乗院がレナーテと、東城は御山と、船橋は椎名と、吉村は鶯谷と決まった。
レナーテの家は逆方向、太刀川の北だが「ぜひ行きたい」と手を上げた。

で、最後の一組はあろうことか俺と涼子。

結果が出たその瞬間、俺は天を仰いだ。
東城や春菜の方を見たが、くじ引きである以上あいつらも助け舟は出せない。
ここで異議を唱えれば、その理由を言わねばならないし、それよりもクラスに迷惑をかける。諦めざるを得なかった。

しかし俺は一計を案じ、かすみへの訪問も引き受けることにした。

自宅最寄りが同じ彩ケ崎駅である上に、彼女の様子も気になっていたからだ。
さらに言うなら、紅村に「俺の彼女はかすみであり、彼女に冊子を届けるのは俺の務め」ということをはっきり印象付けたかったというのもある。

最初にかすみの家に回るのも考えたが、オイシイものは後に取っておくというわけじゃないが、最初に遠いところへ行った方が楽だろうと考え、まずは上川の家に向かうことにした。
   ◇
   ◇
   ◇
あんなこともあったので、道中も涼子とは事務的な会話しか交わさない。
というか交わせない。
当然だろう。
彼女もそれが分かっているのかいないのか、無駄なことは言わなかった。

処沢は彩ケ崎の北にある群玉県の街だ。
違う県というだけで遠そうに感じるが意外に近く、距離的には新宿に行くのとさして変わらない。乗り換えは1回だ。

上川担当になった俺たちは定期券が使えないので電車賃として2人合わせて3000円が渡されているから不安もない。

乗り換えもスムーズにゆき、処沢にはすぐに着いた。

◇    ◇    ◇

上川の家は、駅前再開発用の土地を売って一気に財を成した地元実業家ということもあってか、流石にデカい。
生け垣なんてものではなく、まるで森に囲まれたような一軒家だ。
建物は近代的な佇まいだが、玄関の前には昔の洋館にあるような車寄せなんかもあり、きっと運転手付きの黒塗り高級車なんかが似合うんだろうな。
しかし、上川といい、穐山といい、来栖といい、金持ちの多いクラスだな、まったく。私立って、どこもそうなのだろうか。

よく手入れされた樹木。
花壇の中央には噴水まである。
道路に面した鉄格子のドアにある呼び鈴を鳴らすと、ややあって左右に自動で開く。
玄関前に着くか着かないかという絶妙のタイミングで、秘書なのか書生なのか、小洒落て言えばコンシェルジュなのか知らないが、スーツ姿の若い男が現れ中に迎え入れられた。
でっかい部屋に通され、それひとつが俺の家より高いんじゃないかと思える高級そうな椅子に座るよう促されて待つこと10分近く。さっきの男が家政婦2人を伴い戻ってきた。

「お嬢様が、よろしくとおっしゃっておられました」

蝶ネクタイのその男は、綺麗な封筒に入って、しっかり封印されている上川直筆の礼状を俺に渡し、深々と頭を下げた。
その間に、家政婦は俺たちの前のテーブルに紅茶セットを並べている。
なんかこう、俺たちって完全に場違いって感じ。
横目で涼子を見ると、なんかこいつも神妙な顔つきをしている。

上川が姿を現さなかったのは、風邪を伝染すと悪いからというよりも、プライドの高そうな彼女のことだから、具合の悪い病人顔を見られたくないということもあるんじゃないだろうか。

そんなことを考えながら、ほとんど味も分からないまま飲み干すと、食事の用意をするという申し出にありったけ丁寧な言葉で理由を話して断り、そそくさと屋敷を後にした。


降り始めた雨の中、最寄り駅に向かう。
待たされて、紅茶を出され、食事まで勧められ、すっかり時間を食ってしまった。
もう、夜の7時近い。

ここから彩ケ崎までは近いとは言っても乗り換えは1回ある。
歓待してくれるのはいいが、じゃあ帰りは車でお送りしましょう、とならないところがいかにもニワカの金持ちって感じだな。
てか、こんな書生やら秘書を雇ってるなら学校まで取りに行かせればいいじゃないか。
屋敷の裏手にちらっとガレージが見えたが、車が4、5台は入るんじゃないかってぐらいの大きさだった。
運転手だって雇ってるだろう。

何か釈然としない思いのまま、最寄の昭津(あきつ)駅に着いたときには19時半を回っていた。

が、電車は止まっていた。
乗ってきた玉葉(ぎょくよう)(せん)の架線が飛来物で切れ、いつ動くか分からないという。

浜袋(はまぶくろ)まで行く武蔵野鉄道が振り替えているということで、浜袋と新宿経由で、左向きに倒しにしたアルファベットの「U」の字のようなルートで彩ケ崎まで戻ることになる。
順調に行っても1時間半はかかるだろう。

雨も降っているというのに最悪だ。
しかし腹をくくるしかない。


「お客様に申し上げます。大雨の影響により、太刀川市内の玉川が警戒水位を超えました。お急ぎのところ大変申し訳ありませんが、この電車は次の萩窪(はぎくぼ)にて運転再開まで停止いたします。ご迷惑をおかけしますが…」


なんだってぇ?

2回乗り換えて、やっと最後の甲武(こうぶ)(せん)に乗って20分。
これで、後はかすみの家に着くのを待つだけって時になり、電車が動かなくなっちまった。

萩窪っていえば、彩ケ崎までまだ6駅も手前だ。
こんなところで止められて、どうしたらいいんだ。

電車の窓にはざーざーと雨粒が当たり、木々や電線が大きく揺れている。
乗り合わせた客も不安そうに外を眺め、あちこちで家族にスマホで連絡を取っている。
相手が自然じゃ仕方ないにしても、乗り物運が悪すぎるぞ。
くそっ、待つか、降りて歩くか。

30分たっても電車が動く気配はなく、雨風もさっきより強くなっている感じだ。
試しに1階の改札まで出てみると、駅前には行き場を失った客がひしめいていた。
ロータリーにタクシーなんか来るはずもなく、バスの姿も見えない。
迎えに来た家族だろうか、たまに乗用車がやってくる程度で、客はただ立ち尽くし茫然自失といった感じだ。
駅の電光掲示板に流れるニュースには、活発な雨雲が首都圏に流れ込んでいると出ている。
商店の中にはすでにシャッターを下ろしたところもあり、雨は60度ぐらいの角度で降っている。
横殴りってやつだ。

「ねえ、山葉くん、どうしよう?」

久しぶりに涼子の「山葉くん」という言葉を聞いたような気がする。

これがなんということもない普段の一コマなら、俺は返事をしなかったかもしれない。
しかし、今は一種の運命共同体。この期に及んで無視はあり得ない。
自分が家に帰るのはもちろんだが、涼子だって無事に家に帰してやらなきゃならない。
こういうときのために、かえで先生は2人1組で行動させたんだ。涼子を無事に帰すのは、かえで先生に報いるためでもあるんだ。
俺は自分にそう言い聞かせた。

「もっと酷くなる前に歩くか?」
「…そう…しようか」

一瞬風雨が弱まった隙を突き、俺たちはそれぞれ傘をさして高架線沿いに歩き出した。
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登場人物紹介

山葉譲二

・やまは/じょうじ

・2年N組

・出席番号:36

・1月16日生まれ

・16歳

・彩ケ崎中学出身

・電車通学

・本作の主役

・山葉美砂の兄

・部活は性に合わないのでやってない

・父親は樺太に赴任中で母親もたまに不在。こちらでは美砂と2人暮らしになるタイミングもある

・1年時はクラスの文化祭実行委員

・創立記念祭の実行委員

東城薫

・とうじょう/かおる

・2年N組

・出席番号:21

・2月10日生まれ

・16歳

・彩ケ崎中学出身

・電車通学

・本作の主役

・佐伯春菜の彼氏

・山葉譲二の親友

佐伯春菜

・さえき/はるな

・2年N組

・出席番号:15

・3月22日生まれ

・16歳

・帰宅部

・彩ケ崎中学出身

・電車通学

・東城の彼女。中学から付き合っている。小学校も同じだった

・東城、山葉の3人でつるんでいる

・父親が大手商社員

・東城の呼び方は「薫」。一人称は「わたし」

・中学時代はバレーが得意だったらしい

・山葉的には「バカそうに見えるが意思のはっきりした娘で、相手を立てるべきときはちゃんと立てる」良いやつ

・チャーミングで、ちょっとおバカで、スタイルもそこそこ

※アイコンは自作です

山葉美砂

・やまは/みさ

・1年B組

・1月22日生まれ

・15歳

・彩ケ崎中学出身

・家庭部

・電車通学

・山葉譲二の1歳違いの妹

・父の転勤の関係で1年の半分は譲二と2人だけで暮らしている

※アイコンは自作です

紅村涼子

・べにむら/りょうこ

・2年N組

・出席番号:30

・5月3日生まれ

・16歳

・彩ケ崎東中出身

・電車通学

・初期の主人公級キャラ

・ひょんなことから山葉に告って付き合うことになるが、山葉は何とか別れたいと思っている

・なんだかんだで結構可哀想な立ち位置のキャラ

・小5のときに家族の転勤で関西方面からやってきた

・メガネっ娘

※アイコンは自作です

一ノ瀬かすみ

・いちのせ/かすみ

・2年N組

・出席番号:5

・5月15日生まれ

・16歳

・茶道部

・彩ケ崎中学出身

・電車通学

・山葉譲二の幼稚園からの幼馴染。小学校で同級だった最後は6年生で、中学3年間はクラスが同じになることはなかった。譲二の妹・美砂のことも知っている

・おとなしく、相手を慮る気持ちが強い

・自宅は彩ケ崎駅南商店街の蕎麦屋「香澄庵」

・呼びかけ方は「山葉くん」。一人称は「わたし」

※アイコンは自作です

紫村かえで

・しむら/かえで

・2年N組担任(1~3年まで同じ)

・12月6日生まれ

・25歳

・中高大とも美咲女子

・国語担当

・紫村かなでの妹

・面倒見が良く生徒みんなから好かれている

・姉のかなでと一緒に伏木教頭の伯母が経営しているアパートに住んでいる

・軽自動車のコニーに乗っている

※アイコンは自作です

紫村かなで

・しむら/かなで

・2年K組担任

・10月9日生まれ

・26歳

・中高大とも美咲女子

・英語担当

・紫村かえでの姉

・妹かえでよりは性格がきつめ

※アイコンは自作です

穐山冴子

・あきやま/さえこ

・2年N組

・出席番号:1

・7月3日生まれ

・16歳

・フェンシング部

・内部生

・電車通学

・東京市赤坂区

・一応は電車通学

・1人娘で父親は軍人上がりの華族で会社経営者。金持ち

・同じく内部生の紀伊國蓮花と中学からとても親密

・穐山と紀伊國の父親同士は実は仕事での縁が深く旧知。そのため穐山も紀伊國も子供時代からお互いを知っていた

・紀伊國のことは「蓮花」。それ以外も男女問わず呼び捨て。一人称は「わたくし」

・いろんなシーンで登場する準メーンキャラ

※アイコンは自作です

鶯谷ミドリ

・うぐいすだに/みどり

・2年N組

・出席番号:6

・8月25日生まれ

・たぶん16歳

・出身中学設定なし(内部生ではない)

・自宅は東京市淀橋区

・通学手段不明

・一人称は「あたし」「あたしゃ」

・校内の情報に精通しており、ヤバい情報や資料を多数持っている敵に回してはならない女

・たまにしか登場しない

※アイコンは自作です

織川姫子

・おりかわ/ひめこ

・2年N組

・出席番号:7

・2月11日生まれ

・16歳

・内部生

・電車通学

・自宅は横濱。ここからはるばる通っている

・ティーンズ雑誌の街角美少女に選ばれたことがある

・山葉を山葉と呼び捨てで呼ぶ数少ない女子

・一人称は「わたし」

・呼びかけるとき必ず「やあ」で始まる

・登場回数は少なめ

・アイコンは自作です

柏木踊子

・かしわぎ/ようこ

・2年N組

・出席番号:8

・6月13日生まれ

・16歳

・吹奏楽部

・彩ケ崎中学出身

・電車通学

・かすみの実家・香澄庵近くにある小料理屋の娘で、商売柄親同士も仲がいい。かすみとは幼馴染

・後半は比較的登場回数が多い

・山葉と東城に何度かぱんつを見られる

・アイコンは自作です

紀伊國蓮華

・きのくに/れんげ

・2年N組

・出席番号:10

・11月21日生まれ

・16歳

・フェンシング部

・内部生

・電車通学

・自宅は東京市麻布区

・絶えず穐山とともにいる

・穐山のことは「冴子さん」と呼んでいる

・紀伊國と穐山の父親同士は実は仕事の縁で旧知。そのため穐山も紀伊國も子供時代からお互いを知っていた

・非常に清楚な出で立ちでモテるはずだが、穐山がいつもそばにいるので男は寄りつけない

※アイコンは自作です

来栖マリ子

・くるす/まりこ

・2年N組

・出席番号:12

・12月24日生まれ

・16歳

・内部生

・電車通学

・天然。ドジ。料理がゲロマズ(らしい)。憎めない性格

・入学したての主人公たちを校内探検に誘ってくれた

・物語の至る所に出没する

※アイコンは自作です

ジェシカ・ライジングサン

・6月30日生まれ

・2年N組

・出席番号:18

・16歳

・Jessica Risingsun

・アメリカ人の留学生でオタクだが、日本全般の知識が豊富

・同じアメリカ人のレナーテに誤情報を吹き込むことがあり、それが元でレナーテと犬猿の仲

・銀行支店長の家にホームステイしていたが、支店長が不正融資で逮捕され紫村姉妹の家に転がり込む

・本編での登場は少ないが番外編「紫村姉妹の居候」と「ジェシーとレナ」では主役扱い(連載が終わったら公開します)

※アイコンは自作です

慈乗院和歌男

・じじょういん/わかお

・2年N組

・出席番号:19

・10月3日生まれ

・16歳

・太刀川第2中学出身(太刀川市)

・自転車通学

・かえで先生のことが大好きな男子生徒

・中学ではバスケ部だった

・モブだったが、なんだかんだで後半は重要な役割を持つ

・親が、生まれるのは女の子なので「和歌子」って名前にしようと決めていたが、男だったのでヤケクソで和歌男にしたらしい(ただし風説の類)

船橋弥生

・ふなばし/やよい

・2年N組

・出席番号:29

・1月28日生まれ

・16歳

・彩ケ崎南中学出身(御山、吉村と同じ)

・体型はちょっと太めらしい(山葉の見立て)

・物語後半での登場頻度が非常に高いキーキャラ

※アイコンは自作です

御山沙貴子

・みやま/さきこ

・2年N組

・出席番号:33

・8月15日生まれ

・16歳

・彩ケ崎南中学出身(船橋、吉村と同じ)

・バレー部(後に主将)

・電車通学

・物語のとても重要な人物

・1年のとき山葉に着替えを覗かれて以来、山葉のことを徹底的に敵視している

・とても執念深い性格

・同じ中学出身の船橋による中学時代の回想が恐ろしい

※アイコンは自作です

吉村莉緒

・よしむら/りお

・2年N組

・出席番号:38

・11月7日生まれ

・16歳

・彩ケ崎南中学出身(船橋、御山と同じ)

・母親は死んでおり父親が男手ひとつで育てた。学費免除の特待生で入学

・実は美形

・おとなしい性格でクラスでも仲の良さそうな同級生はいないようだが、後半から出番が増える

※アイコンは自作です

レナーテ・バックマン

・2年N組

・出席番号:40

・2月24日生まれ

・16歳

・Renate Bachmann

・セミロングの金髪で青い目。日焼け対策で夏でも白の中間服を着ている

・横里米軍基地の軍医である父親について母と妹とともに日本に来たので留学ではない

・中学までは基地内のスクールだったが高校から神姫に入った

・兄もいるが本国で大学生

・ジェシカにはめられ変な日本語で恥をかかされることが多い

・春菜と仲がよくお泊まりに来たこともある

・日本語で「小川麗菜」という当て字の名前を持っている。ジェシカと吉村が考案したもの

※アイコンは自作です

小錦厚子

・こにしき/あつこ

・理事長兼校長

・誕生日設定なし

・年齢不詳だが60歳は超えてるだろう(山葉の想像)

・かつては国語教員だった

・なぜだか男には「セニョール」と話しかける(が、スペイン系ではない)

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