Where is your ...
文字数 1,223文字
少年が寮のある学校を卒業する頃、彼は効率の良い実験方法を確立していた。それは、魔力の量が多い少年だけに可能な方法で、例え他者が真似をしても上手くは行かないやり方だった。
教師陣に実力を認められていた少年は、推薦を得て魔術大学に進学した。その大学の近くには学生用の下宿も在ったが、転移魔法の使える少年にとって距離は然程問題にはならない。
この為、少年は人目につかない場所に在る家を借りた。その家は、街や街道から離れた場所に在り、移動手段を持たない者にとっては不便な物件だった。この為、長いこと空き家となっており、若い少年だろうが金さえ払えば入居出来た。
少年は、何度も支払いをするのは面倒だからと、ここで一年分の家賃を支払うと伝えた。これは、貸す側の人間を驚かせたが、話し合いの末に少年の考えは通った。少年は、しっかりと契約書を確認してから支払いを済ませ、領収書に不備がないことを確認してから借りた家へ向かった。
長年空き家となっていた家は黴臭く、埃も積もっていた。少年は、全ての窓を開けて回り、それから魔法を使って空気を循環させる。換気をしながら、少年は掃除をして回った。魔法を使える少年には掃除道具は必要無かった。ただ、汚れを外に出す必要だけがあった。
少年は、魔法を使っては汚れを外に排出した。人里離れた場所にある家に人間はやって来ず、少年が遠慮する相手は居ない。
すっかり家を掃除した後で、少年は家の周囲を探索した。そこは、自然に溢れた場所で、生き物の気配が在った。この為、少年は食糧を買いに出る頻度を減らせた。
大学に通いながら、少年は細々と実験をしていた。魔術大学で求められる能力は高く、こなすべき課題も多かった。また、学生寮に居た頃は用意されていた食事も、自らの調達する手間が有った。この為、少年が実験に費やせる時間は少なかった。
少年が青年と呼ばれる年になった頃、彼はとある教授から助手にならないかと誘われていた。その教授に助手は居らず、青年の能力は教授にとって都合が良かった。青年は、直ぐには教授の誘いに乗らず、雇用条件が良くなる頃合いを待った。
青年は、研究職に就きたいとまでは考えてはいなかった。ただ、他に就きたい職がある訳でも無かった。とは言え、簡単に決められるものでは無かった。
青年は、大学で出される課題をこなしながら悩み続けた。そして、学生によっては働き先を確定する時期に、教授は焦り始める。青年が卒業してしまえば、また助手候補を一から探さねばならない。この為、教授は青年への勧誘を強化した。
その後の面倒を避けたかった青年は、大学の経営陣を含めた話し合いの場を要求する。教授はそれを渋ったが、青年は折れなかった。青年は、何年も下に人が付かない人間の腹の内を探ることを優先した。
経営陣を交えての話し合いの末、青年が他の助手以上の給与を得られる契約を交わした。そうして、青年は大学卒業後に教授の助手として働き始める。
教師陣に実力を認められていた少年は、推薦を得て魔術大学に進学した。その大学の近くには学生用の下宿も在ったが、転移魔法の使える少年にとって距離は然程問題にはならない。
この為、少年は人目につかない場所に在る家を借りた。その家は、街や街道から離れた場所に在り、移動手段を持たない者にとっては不便な物件だった。この為、長いこと空き家となっており、若い少年だろうが金さえ払えば入居出来た。
少年は、何度も支払いをするのは面倒だからと、ここで一年分の家賃を支払うと伝えた。これは、貸す側の人間を驚かせたが、話し合いの末に少年の考えは通った。少年は、しっかりと契約書を確認してから支払いを済ませ、領収書に不備がないことを確認してから借りた家へ向かった。
長年空き家となっていた家は黴臭く、埃も積もっていた。少年は、全ての窓を開けて回り、それから魔法を使って空気を循環させる。換気をしながら、少年は掃除をして回った。魔法を使える少年には掃除道具は必要無かった。ただ、汚れを外に出す必要だけがあった。
少年は、魔法を使っては汚れを外に排出した。人里離れた場所にある家に人間はやって来ず、少年が遠慮する相手は居ない。
すっかり家を掃除した後で、少年は家の周囲を探索した。そこは、自然に溢れた場所で、生き物の気配が在った。この為、少年は食糧を買いに出る頻度を減らせた。
大学に通いながら、少年は細々と実験をしていた。魔術大学で求められる能力は高く、こなすべき課題も多かった。また、学生寮に居た頃は用意されていた食事も、自らの調達する手間が有った。この為、少年が実験に費やせる時間は少なかった。
少年が青年と呼ばれる年になった頃、彼はとある教授から助手にならないかと誘われていた。その教授に助手は居らず、青年の能力は教授にとって都合が良かった。青年は、直ぐには教授の誘いに乗らず、雇用条件が良くなる頃合いを待った。
青年は、研究職に就きたいとまでは考えてはいなかった。ただ、他に就きたい職がある訳でも無かった。とは言え、簡単に決められるものでは無かった。
青年は、大学で出される課題をこなしながら悩み続けた。そして、学生によっては働き先を確定する時期に、教授は焦り始める。青年が卒業してしまえば、また助手候補を一から探さねばならない。この為、教授は青年への勧誘を強化した。
その後の面倒を避けたかった青年は、大学の経営陣を含めた話し合いの場を要求する。教授はそれを渋ったが、青年は折れなかった。青年は、何年も下に人が付かない人間の腹の内を探ることを優先した。
経営陣を交えての話し合いの末、青年が他の助手以上の給与を得られる契約を交わした。そうして、青年は大学卒業後に教授の助手として働き始める。