最後の試練と新たな旅立ち

文字数 7,419文字

 土ばかりの場所を歩き始めてから数分後、ダームは土が盛り上がっている箇所を見つける。彼は、直ぐにその箇所へ近付くと、それを様々な方向から観察した。すると、その箇所はどんどん盛り上がっていき、ダームは警戒をしながら後退る。しかし、その勢いは早く、ダームは上方に飛ばされてしまった。それにより、ダームはバランスを崩して転びそうになるが、青年が咄嗟に支えた為それを免れた。
 
「大丈夫か?」
 ザウバーは、言いながら少年の顔を覗き込む。対するダームは小さく頷き、そのまま体勢を立て直した。
「うん。それより……あれ」
 少年は、そう言うと土が隆起した個所を指差した。彼の指差す先には、球状に盛り上がった土が在り、それは尚も盛り上がっていく。

 隆起した土は、ついには人の様な形をなし、その胸元に褐色の球体が在った。それを見たダームは目を見開き、褐色の珠を見つめる。球体は、少年の身長の倍以上の高さに在り、脈打つ様に輝いていた。数秒間球体を見つめた後、ダームは球体を指差した。
 
「あれって、あれだよね?」
 それを聞いたザウバーは呆れた様子で首を振り、少年の顔を見下ろした。
「代名詞で話すな、代名詞で。来るぞ!」
 そう言い放つと、ザウバーは少年の体を突き飛ばした。それにより少年の体は仰向けに倒れ、彼はその痛みに顔を顰める。その後、突き飛ばされたダームは、恨みがましそうに目を細めて口を開いた。
 
「いきなり何」
 少年は言い終わる前に話すことを止め、先ほどまで自分が居た場所を見た。そこでは、土の偶像が腕を振りおろしており、その衝撃で地面は抉れている。
「いいから、身構えろ!」
 その時、偶像はダームの方を向き、右腕を振り上げていた。この為、少年は偶像を見据え、攻撃を避ける為に後方へ飛び退く。

 ザウバーの呼びかけもあって、ダームは偶像の攻撃を免れた。しかし、その攻撃による揺れでバランスを崩し、勢い良く尻もちをついてしまう。彼が立ち上がれないでいる内に、偶像は左腕を振り上げダームに向けた。ダームは、それを転がることによって避けると、跳ねる様にして立ち上がる。
 
「あぶな!」
 ダームは、言いながら体勢を立て直し、次の攻撃に対して身構えた。すると、土の偶像は右腕を振り上げ、ダームはそれを避ける様に右側へ跳ねる。その際、少年はバランスを崩し掛けるが、転ぶことは無かった。

 とは言え、偶像の攻撃は止むことなく、ダームの表情に疲れが浮かんでいく。しかし、少年に諦める様子は無く、褐色の宝玉に手を伸ばす機会を窺っていた。一方で、ダームが避けられない場合に備え、ザウバーは神経を研ぎ澄ませていた。
 
 十数回目の攻撃の時、ダームは声を上げながら、偶像の胸元に手を伸ばした。偶像の胸元にある珠は、偶像が腕を地面に付けている分低く、ダームが手を伸ばせば届く位置に有る。しかし、失敗すれば次の攻撃を避けるのは難しく、それを見たザウバーは目を見開いて声を漏らした。

 結果的に、その心配は杞憂に終わり、ダームは安堵の表情を浮かべる。そして、少年は直ぐにその場から逃げようと試みるが、その前に偶像が崩れ始めた。
 
「ダーム!」
 それを見たザウバーは声を上げ、少年に駆け寄った。この時、偶像は完全に形を崩しており、ダームの体は土に埋まっている。それ故、ザウバーは必死に土を掻き分け、少年を救い出そうとした。程なくしてその体は掘り出され、ザウバーは少年の腕を掴んで引っ張り出す。救出された少年は、服についた土を払い、頭を振る。ダームは、ある程度の土を払ったところで顔を上げ、青年の目を見つめた。
 
「ありがとう。息が出来なくて苦しかったから、助かったよ」
 そう言うとダームは笑顔を浮かべ、ザウバーは小さく頷いた。彼らがそうした時、ダームの胸元は強く光り、二人は目を瞑る。暫くしてダームが目を開くと、彼の腰の高さ程の台座が在った。それは、縦に長い四角柱の様な形で、その上部に二重の円が刻まれている。また、それぞれの円に重なる形で、半球状をした窪みが有った。
 
 円に重なる窪みは合計で八つ。外円の窪みは台座の四辺の中間付近にあり、内円の窪みは四辺の頂点に近い位置に在った。それらの窪みは、それぞれ一番近い窪みと直線で繋がり、孤の繋がりも含めれば他の四つと繋がりが有る。ダームは、突然現れた台座を眺めた後、その中心に手を触れた。すると、彼の胸元から八つの宝玉が飛び出し、台座の上方で円を描く様にして浮遊する。

 それらは、等間隔を保ちながら回転し、少年は暫くの間その動きを眺めていた。少年が台座から手を離した時、その周囲は石の様な物質で囲まれた。その壁には、それぞれに文字が刻まれており、それに気付いたダームは書かれた文を読み始める。
 


 
 ダームは、そこまで話すと息を吸い込み、静かに青年の顔を見上げた。
「なんだか、聖霊の話と似ているね。火と水が対極にあるとか」
 その話にザウバーは頷き、目線を正面の壁に移して口を開いた。

「じゃ、あれもそうだな」
 ザウバーは、そう言うと息を吸い込み、咳払いをする。その後、彼は正面に書いてある文を見つめ、微笑を浮かべた。
 

火水と地風は、互いに拮抗する力がある。それを対等と捉えるなら、この文も似ているな」
 
 ザウバーは、そう言うと目線を左に動かし、言葉を続けていく。
 


 
 ザウバーは淡々と壁に刻まれた文字を読み、ダームは無言で話を聞いていた。青年は、体の向きを変えて未読の文字列に向き合うと、軽く口角を上げて口を開く。
 


 
 ザウバーは、そこまで言うと口を閉じ、少年の方へ向き直る。対するダームは、青年の眼を見つめ、腕を組みながら首を傾げた。
「混乱する……聖霊の関係とは、違った内容も有ったし」
 少年は、そう言うと口を尖らせ、低い声を漏らす。その台詞を聞いたザウバーと言えば、無言で空中に浮かぶ宝玉を眺めた。

 その後、青年は台座へ目線を落とし、そこに刻まれた模様を見つめる。台座には八つの窪みが有り、その円周は宙に浮かぶ珠と同じ様に見える。また、窪みと宝玉の数は等しく、それに気付いたザウバーは、壁に刻まれた文を黙読した。
 
 文を読み終えたザウバーは、軽く笑いながら少年の顔を見つめる。視線に気付いたダームは青年の目を見つめ、その意図を考えた。

「手に入れたオーブは八つ。台座の窪みも八つ。そして、壁に書かれた手掛かりの、意味ありげな単語の数も八つ」
 ザウバーは淡々と言葉を紡ぎ、少年は静かにそれを聞いている。少年が自らの話を聞いていると感じたザウバーは、尚も話を続けていった。
 
「火、水、地、風、光、闇、動、静……それぞれが、手に入れてきたオーブのことを示しているとしたら?」
 ザウバーは、そこまで話したところで台座に目線を移す。すると、ダームも台座の方へ顔を向け、小さな声を漏らした。
 
「そっか! どの位置かは分からないけど……矛盾しない様に嵌めていけば良いんだね」
 ダームは、そう言うと目を輝かせ、宙に浮かぶ宝玉を眺めた。
「風は黄緑色、動は黄色で、赤は火、白は光。それで、地は茶色かな?」
 そこまで話すと、ダームは首を傾げて青年の反応を待った。

「さあて、な。お前がそう感じたなら、そうじゃねえの?」
 曖昧な答えしか得られなかったダームと言えば、片目を瞑って腕を組む。そして、浮遊する宝玉を見上げると、細く息を吐きながら口を開いた。
 
「黄緑は触ったら風が止んだし、黄色は動物が持ってた。暑い所では赤いので、光を伸ばしたら白が出てきて。それで、地面から出てきた奴からは茶色」
 呟く様に言うと、ダームは台座を見下ろす。そして、低い声を漏らしながら目を細めると、少年はがっくりと肩を落とした。
 
「やっぱり難しいかも」
 ダームは、そう言うと疲れた様子で目を瞑った。その後、少年は目を瞑ったまま考えを纏め、十数分経った後で目を開く。この間、ザウバーは少年を見守る様に立っており、その表情は既に答えが分かっている様でもあった。
 
「間違っていませんように」
 少年は手を伸ばし、赤色の宝玉を掴む。この時、宝玉は胸元に吸い込まれず、ダームの手に収まった。ダームは、手の中に有る宝玉を一瞥した後、赤い珠を外円の窪みに置く。この時、少年は自分から一番遠い位置に宝玉を嵌めており、今やその光は失われていた。
 
 その後、ダームは青い光を放つ珠を手に取り、赤い宝玉から一番離れた窪みに嵌める。すると、それは赤い宝玉と同様に光を失い、それを見た少年は不安気な表情を浮かべた。それでも、彼は新たに褐色と黄緑色の宝玉を掴み、それぞれを外円の窪みに嵌めた。

 ダームは、そこまでしたところで目を瞑り、ゆっくりした呼吸を繰り返す。台座には、既に四つの宝玉が嵌められ、少年の左手側には褐色、一番近い位置に水色の珠が在った。また、少年の右手側に黄緑色の宝玉が在り、そのどれもが光を放っていない。ダームは、呼吸を整えた後で目を開くと、宙に浮く四つの宝玉を見上げた。宙に浮かぶ宝玉は未だ光を発し、相変わらず円を描きながら動いていた。
 
「動は光と闇の力を得、火と風の加護を受ける」
 ダームは、そう言うと黄色の宝玉を手にとり、内円の窪みに置いた。その位置は、赤と黄緑色の宝玉の間で、内円の窪みは後三つ開いている。
 
「静もまた光と闇の力を得、水と地の加護を受ける」
 ダームは、言いながら緑色の珠を掴み、褐色の珠と水色の珠の間に置く。そして、残った白と黒の宝玉を見つめると、目を細めゆっくり息を吐き出した。
 
「あと、二つ」
 ダームは、そう言うと白色の珠を手に取った。彼は、それを開いている窪みのうち左側へ嵌め、黒い宝玉へ手を伸ばす。そして、それを余った窪みに置くと、拳を強く握った。すると、全ての宝玉から強い光が放たれ、ダームとザウバーは反射的に目を瞑った。その光は徐々に強さを増していき、十数秒間経ったところで突然消える。
 
「待っていましたよ」
 ダームが目を開こうか迷っていると、女性の声が聞こえた。その声は優しく落ち着いており、二人は声の主を見ようと薄目を開く。声のした先に居た女性は、顔を白いベールで覆っており、その顔や表情は分からなかった。また、ゆったりとしたローブを着ている為、その体型もはっきりしない。また、先程まで有った台座は消え、ダームらの居る場所は藍色で囲まれていた。その空間は、足元が確かで無く、ねっとりとした何かが蠢いている様でもあった。この為、ザウバーは訝しげに周囲を見回すが、ゆっくりと渦巻く藍色の何かが在るだけだった。
 
「逞しく育ちましたね、少年。今なら、力を解放しても弊害は少ないでしょう」
 その台詞にダームは目を見開き、不思議そうな表情を浮かべる。一方、ザウバーは訝しそうに片目を瞑り、口を開いた。
「おい、ダーム。逞しく育っただの言われてるが、面識あんのか?」
 その問いにダームは首を振り、困った風に息を吐き出す。
 
「分かんないよ。顔が見えないし、こんなところに来たこと無い」
 少年は、そう返すと目を伏せ、胸元を触った。すると、そこに有った筈の短剣が無く、ダームは慌てた様子で声をあげる。
「どうしよう、短剣が無い」
 消え入りそうな声を聞いた青年は、直ぐにダームの顔を見下ろした。この時、ダームは今にも泣き出しそうで、頬や耳は紅く染まっている。
 
「心配無用です。短剣は、一時的に預かっているだけですから」
 ダームとザウバーは目線を動かし、声の主を見た。しかし、声の主はそれ以上の言葉を続けること無く、ダームとザウバーは顔を見合わせる。
「なんなんだ、アイツは」
 その言葉が聞こえたのか、白いベールの下からは、落ち着いた声が聞こえてくる。
 
「私は護る者。私は告げ知らせる者。私は永久の命にて、然るべき者へ剣を渡す者」
 ダームは目線を動かし、白いベールの中程を見つめた。
「その剣は、聖なる力にて敵対者を浄化する。その剣は、穢れた者に触れること叶わず、選ばれし者しか扱えない」
 その話にダームは目を丸くし、ザウバーは無言のまま話の続きを待つ。
 
「剣は、使用者を選び、従い、永遠に生き続ける。しかし、その力は選ばれた者にしか行使出来ず、選ばれるに値する者が居なければ力は解放出来ない」
 そこまで話したところで、女性はダームの方へ近付いてきた。この時、足音は全くせず、歩いている様子も無い。しかし、その者は確実に少年の方へ近付き、手を伸ばせば届く位置にまで来た。
 
「少年、そなたには剣を扱う資格がある。尤も、上手く扱えるかは別だがな」
 話し手のローブは微かに動き、ダームの目の前に見慣れた短剣が現れる。少年は、驚きながらも短剣を掴み、愛おしそうに握り締めた。
 
「剣は、必要に応じて形を変える。しかし、それは真に必要な時だけ」
 そこまで伝えたところで、白いローブを着た者はダームの前から離れていく。その者が動いても先程と同様に音はせず、ベールやローブが靡くことも無かった。
 
「その形は、仮象にして虚偽。その鞘は、大いなる力を抑える器にして、真実を得る為の鍵」
 それを聞いたダームは目を細め、短剣の鞘を見つめる。
「今、我が伝えられることはそれだけだ。本来の居場所へ帰れ、少年」
 ベール越しに声が聞こえた後、ダームとザウバーの体は虹色の光に包まれた。その光は徐々に強まって行き、二人は目を瞑る。

 暫くして光が収まった時、二人は恐る恐る目を開いた。すると、彼らの瞳に文字が刻まれた石盤や、葉の茂った木々が映し出された。それに気付いた二人は顔を見合わせ、ダームは不思議そうに口を開く。
 
「戻ってこられたのかな?」
 そう言うと、ダームは石板に刻まれた文字を一瞥する。しかし、光の加減で彼の位置からは読み辛く、少年は目線を仲間の方へ戻した。
「だろうな。とにかく、お前の友達が待っている場所に向かうぞ」
 ザウバーは、そう返すと直ぐに呪文を唱え始める。すると、その体は淡い色の光に包まれ、二人は瞬時にフレンの居る場所へ移動を終えた。この時、フレンは突然現れた者達に驚き、目を丸くする。彼は、暫く無言のまま二人を見つめていたが、村へ来た時のことを思い出したのか、納得した様な表情を浮かべた。
 
「ただいま、フレン。それと……いきなり居なくなって、ごめん」
 ダームは、そう伝えると頭を下げ、彼の謝罪を聞いたフレンは口角を上げる。その後、フレンはダームの後頭部を軽く押さえると、笑みを浮かべて口を開いた。
 
「帰ってきたから許す」
 フレンは、そこまで話したところで手を離し、ダームは不思議そうに友人の顔を見上げた。
「挨拶もなしにずっと居なくなったら怒ったけど、直ぐに戻ってきたし」
 それを聞いたダームは顔を上げ、フレンの目をじっと見つめた。対するフレンは楽しそうな笑顔を浮かべ、友人の目を見つめ返す。
 
「ありきたりな言葉だけど、無事で良かったよ。そんなに待たなかったし」
 それを聞いたダームは首を傾げ、それからザウバーの顔を見上げた。彼の目線に気付いたザウバーは空を見上げ、太陽の位置を確認する。ザウバーは、数秒間そうした後で目を瞑り、自らの考えを整理し始めた。
 
「太陽の位置が高い。思っていたよりは、時間が経っていないのかもな」
 ザウバーは、そう言うと軽く息を吐き出した。彼の言葉を聞いたダームは空を見上げ、自ら太陽の位置を確認する。
「まぶし」
 そう呟くと、ダームは目を細めて目線を下げた。そんな二人の様子を見たフレンは、不思議そうに首を傾げた。
 
「何やってんだよ、ダーム。晴れた日に空を見上げたら、眩しいに決まってるじゃん」
 フレンの話を聞いたダームは微苦笑し、ザウバーと顔を見合わせた。すると、ザウバーは小さく息を吐き出し、楽しそうな笑みを浮かべる。
 
「さっき迄、太陽が見えない位置に居たからな。眩しいってのを忘れたんだろ」
 ザウバーの一言を聞いたフレンは首を傾げ、ダームは小さく声を出して笑った。そして、ダームは村の中に目線を送ると、大きく息を吸い込んだ。
 
「とにかく、さ。村を見て回ろう? 話なら歩きながらでも出来るし」
 ダームの提案を聞いた二人は頷き、三人は村の中を歩き始めた。彼らは、暫く歩いた後で村人と出会い談話を始める。その話は夕方まで続いたが、暗くなる前に三人はそれぞれ寝泊まりする場所へ向かっていった。
 
 それから一晩が経ち、ダームはフレンらに別れを告げて歩き始めた。彼は、町の宿に向かって歩いており、その入口で仲間の到着を待つ。彼が到着してから十数分後、宿からザウバーが現れ、ダームは嬉しそうな笑みを浮かべた。
「遅いよ」
 ザウバーは眉根を寄せ、溜め息を吐きながらダームへ近付いていく。
 
「待ってろなんて伝えてねえし。つーか、お前しか居ねえけど、もう良いのか?」
 ザウバーは、そう聞くと少年の目を見つめた。
「うん。フレンには、ちゃんと説明してきた。それに、戻ろうと思えば何時だって戻れる。ザウバーが居れば、移動は一瞬だし」
 そう伝えると、ダームは楽しそうな笑顔を浮かべた。一方、彼の話を聞いたザウバーと言えば、面食らった様子で苦笑する。
 
「お前な……俺とはぐれたら、どうする気だよ」
 ザウバーは、そう返すと静かに腕を組んだ。その後、彼は片目を瞑ると、右目だけで少年の瞳を見つめる。
「その時はその時。それに、目的を果たす迄は、帰らないつもりだから」
 少年は、そう話すとザウバーの顔を見上げた。
 
「そういうことだから、早くベネットさんのところに行こうよ。心配しているだろうし」
 その言葉にザウバーは頷き、二人はヘイデルに向けて進み始める。その道すがら、二人は出会った頃の話をし、ダームは時折恥ずかしそうに頬を染めた。そして、ヘイデルのシンボルが見えた頃、ダームは街を見やりながら一つの疑問を口にする。
「でも、ベネットさんって何処に居るのかな?」
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登場人物紹介

ダーム・ヴァクストゥーム

 

ファンタジー世界のせいで、理不尽に村を焼かれてなんだかんだで旅立つことになった少年。
山育ちだけにやたらと元気。
子供だからやたらと元気。
食べられる植物にやたらと詳しい野生児。

絶賛成長期。

ザウバー・ゲラードハイト

 
自称インテリ系魔術師の成年。
体力は無い分、魔力は高い。

呪詛耐性も低い。
口は悪いが、悪い奴では無い。
ブラコン。

ベネット

 

冷静沈着で、あまり感情を表に出さない女性。

光属性の攻撃魔法や回復術を使いこなしている。



OTOという組織に属しており、教会の力が強い街では、一目置かれる存在。

アーク・シタルカー


ヘイデル警備兵の総司令。

その地位からか、教会関係者にも顔が広い。

魔法や剣術による戦闘能力に長け、回復術も使用する。

基本的に物腰は柔らかく、年下にも敬語を使う。

常にヘイデルの安全を気に掛けており、その為なら自分を犠牲にする事さえ厭わない。

魔物が増えて管理職が故の悩みが増えた。

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