第56話

文字数 517文字

コリン・ウィルソンが『容認』という言葉を昔使っていた。

生活の流れを口を開けてほおばるうちに、無関心になり、生における戦闘的姿勢(?)を忘れてしまう事である。

戦略的姿勢と言ってもいいかもしれない。

戦略を考えるだけのゆとりをなくしてしまうのだ。

色々なことを容認するようになってしまう。どうでも良くないことまで、「どうでもいい」と感じられるようになる。

この事は政治における無関心とも結びついている。そして同時に、これはまた、個人の生き方の問題でもある。

無関心の反対は、「アンテナ」か。自分なりのアンテナを持ちたいものである。情報が錯雑する場合、整理や縮小は必要だ。良質のアンテナは、ぼくの場合図書館と古本市だ。ぼくには本があ
る。本は、無関心や容認とは真逆のものだ。

世界の冷たさは、政治の冷たさである。政治の冷たさは、制度の冷たさに直結する。制度の冷たさは、いつの日か私たち一人一人の生活を断ち切るだろう。政治は、意図的に無関心を生み出しているのではないかと思う。

我々は、自己の中の無関心の状態を容認してはならない。

星々はまだ、我々の腹の中でぐるぐると周っているのだから。腹黒くて、勉強だけできてしてきた人間には、その事がわからないとしても。



ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み