第65話

文字数 1,131文字

現在、収入が夫婦合わせて23万円くらいあり、貯金が二十万円、そして月に25万円近く使っているので、赤字になるから、もう少し働いて月25万円くらいの稼ぎにしたいと考えている。

それはいいのだが、65歳で定年を迎えて、仕事を大幅に減らし、年金で生活していくことを考えると、その試算結果に暗澹たる思いだ。

基礎年金額が満額で65000円、それに厚生年金も加算されるのだが、厚生年金は冷徹に現在の月収に左右されるので、いまから二十年働いたとしても月二万円程度加算されるにすぎない。こうなると、生活保護の申請もリアルに考えた方がよさそうである。

今住んでいるところで生活保護を受ける場合、ほぼ同じ額の生活費を受給できる。それに医療費が免除されることや、仕事をした場合に増額されることを考えると、そのほうがよさそうだという気持ちにもなる。

もし仮に70までバリバリ働くとしたら、どうか?そうすれば年金の額も違ってくるし、71、72歳と頑張って働いていれば、年金を受給しながら給料ももらえるので、なんとか生活にゆとりは出るかもしれない。

いくらあれば暮らせるのか、そしていくらの収入が見込め、そこからどれだけ引かれるのか、冷徹な見極めが必要だ。

歳をとったら、図書館で好きな本を読んで、そして好きなことを書いて、一日暮らしたい。買い物が好きだけど、ろくに買い物もできなくなるだろうから、この趣味は早いとこ無くしておこう。

買わないことが好きになろう。貯蓄をしよう。安いものを少しだけ買おう。ただのものを活用しよう。ゆとりを持っていきたいけれど、今から考える老後は、今以上にシビアなものだ。下手な貯蓄よりは生活保護、と思うけれど、生活保護に行くまでの過程を、貯蓄で伸ばそうと思う。

長生きは、しなくてもいい。今の日本の老後はシビアだから、70歳くらいで死ねたらな、と思う。それまでに、出来るだけの貢献はしたい。70歳からの人生は、働かなくても食っていける人生というよりは、極めて乏しい収入で、ギリギリなんとか生きている、そんな生活で、そのうえ仕事もできないくらいに弱っているとしたら、散歩するとか週一、二でデイケアを利用するとか、そういう生活になるだろう。

それも悪くはない、か。

そうやって80歳まで生きられたら、恩の字、大恩の字、である。ぼくの人生は悪いものではなかった。星々に連なっていた。ところどころ薄汚く汚れてはいるけれど。

70歳から十年くらい生きて、完全に働けなくなるであろう80歳には、死ねたら、と思う。今日は死ぬのにもってこいの日、なんつって死ぬのだ。

生きるという事は、考えることだ。経済や文明や、医療や文学について、考えることだ。死ぬまで生きようと、思う。毎年神社に行こうと思う。
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