第13話

文字数 513文字

大宇宙時代の未来について妻に語ったら、妻が、「あたらしいお話を考えた」というので、聞いてみると、

『宇宙で追放された人たちが地球人に紛れ込んでいる』というのだ。追放された連中に、宇宙の頃の記憶はあるのか?というと、あると妻は言う。ぼくはこれに不満を持った。

ぼくがそこででっち上げた仮説は、これとは少し違う。

宇宙の遥か彼方で罪を犯した人たちが、追放されて地球にやってきたとき、彼らは過去の記憶を失わされ、新生児として新たな生をスタートさせる。

そのテーマは原罪の克服で、彼らはなぜ自分たちが宇宙のかなたを追放されたのかを自分の心と魂で探り当てねばならない。そのための修練場として地球はあるのだ。いずれ大宇宙時代が訪れるとき、この原罪というテーマはひとまず終結を見るだろう。その時人類は、自分たちの罪について知るだろう。そしてこの大宇宙との、エネルギーに満ちたにぎやかな交流が始まるだろう。

それまでに人が乗り越えねばならない道徳的課題が果てしなく大きいように思えたとしても、このヴィジョンの楽しさが、きっとその難しさに負けないように助けてくれるはずだ。

ワレワレハ、ジンルイダス。イマカラウチュウノミナサンノトコロニ、アイニイキマス!!
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