第40話

文字数 707文字

ああだこうだと日々が過ぎていく。

年末の特徴的な時間の流れとは打って変わって、ただ春を待つだけのような日々の中で、冬好きのぼくはそれでも寒さを楽しんでいる。

鍋がうまい。

支援員の仕事を、週四日にして、真ん中の水曜日、開けることにした。すると心にも時間にもゆとりが生まれて、お金では買えないものとはこの事かとふと思ったり。

あいかわらず友達はいない。というか、そんな簡単に友達など作れるはずもなく、妻と二人、心を寄せ合って生きている。

もしも妻がいなかったら、ぼくは完全に孤独だ。親族からもそんなに好かれてはいない。

孤独とは何だろうか?

以前には、ぼくにも様々な『関係』があったのだが、いまは、仕事関係と、ニコサービスと精神科と歯医者さんと花屋さんだけが、ぼくのトモダチだ。

孤独だなあって思う。この都会で、ぽつねんと孤独に生きているのだなあと思う。親友が欲しい。腐れ縁の、なんだか分かり合える、バカなことを言い合える、お友達が欲しい。

なかなかそういう人は現れてこないが。

喫茶店や京阪電車などで、いい加減に煮締めたようなおっさんたちが、連れと二人で馬鹿話をしているのを見ると、いいなあと心底思う。

別に高潔な友情なんかでなくたっていいのだ。腐れ縁で十分だ。(いや、むしろそれのが望ましい)それを、我に与えたまえ。

(主にまえの妻に振るった暴力が原因で、文学学校時代の友人たちは連絡も取らせてくれないし、ステラで出来た友だちは、良い奴だったのに、何か気に食わなくてぼくの方から切ってしまった。それでいて「孤独」をかこつのだ。虫が良すぎるかもしれない。)

それでも、『孤独』だなあって。孤独って何だろう。ちょっと格好良かったりもして(笑)
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