第71話

文字数 413文字

健康的なじじいになりたい。

歳をとり、精力もそれなりに枯れて、でも肉体的には滅んでいなくて、快活さそのものが全身からほとばしっているようなじいさまになりたいと願う。

小説としては作品を残せなかったが、じじいになるという、ただ漫然たる生き方、それだけはどうやらできてしまいそうなのだ。

それにしたって危ういところがないでもない。

仕事にしても、休んだり辞めたりで、勤労勤勉からは程遠い。アイディアもなく、ただ「働いて」いるだけの、『代替可能な要員』。

生活保護を受けていたことも昔にはあるし、将来だってそうなる可能性もある。

しかし。47歳を目前にして、思うことは、健康的な老人でいたいってことだ。たまに筋トレなんかもするような、活力のある翁でいたいってことだ。

老け込んで、大人しくなって、うつむいて地味な色の服ばかり着て路地に佇むような人にはなりたくはない。

おしゃべりで、良く歩き、たまに筋トレまでも試みる、そんな元気な爺さんになりたい。
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