第92話

文字数 319文字

深夜に村上龍の『オールド・テロリスト』を読んでいると、老黒猫のあんこが近づいてきたので、優しく撫で、少しずつ餌をあげた。

あんこは餌をゆっくりと食べ、また元の一人用ネコソファに戻った。

もしも村上龍が存在していなかったなら、世界はまったく違ったカタチになっていたに違いない。そのことはグルジェフに関しても言える。

この世界のみせかけの甘さに酔ってはいけない。

深夜がんばって起きててでも、仕事しながらでも休日にでも、本を読まねばならない。たまにでも良い。

深さがある殻。世界には、深さがあるのだから。そしてたぶんボクもまた、きっと深さの中に入っていく事が出来るはずだ。

村上龍の小説の人物のフィギュアを海洋堂さんに作ってもらって、家にそっと飾りたい。
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