第36話、貂蝉

文字数 11,817文字

「呉の孫堅が討たれた」


 耳から耳へ。

 やがて長安(陝西(せんせい)省・西安)の都へその報は旋風のように聞えてきた。

 董卓(とうたく)は、手を打って、


「わが病の一つは、これで除かれたというものだ。彼の嫡男(ちゃくなん)孫策はまだ幼年だし……」


 と、独りよろこぶこと限りなかったとある。

 その頃、彼の(おご)りは、いよいよ(つの)って、絶頂にまで昇ったかの観がある。

 (くらい)は人臣をきわめてなおあきたらず、太政太師(だいじょうたいし)と称していたが、近頃は自ら尚父(しょうふ)とも号していた。

 天子の儀仗(ぎじょう)さえ、尚父の出入の耀(かがや)かしさには、見劣(みおと)りがされた。

 弟の董旻(とうびん)に、御林軍の兵権を()べさせ、兄の子の董㼅(とうこう)侍中(じちゅう)として、宮中の枢機(すうき)にすえてある。

 みな彼の手足であり、眼であり、耳であった。

 そのほか、彼につながる一門の長幼縁者は端にいたるまで、みな金紫(きんし)栄爵(えいしゃく)にあずかって、わが世の春に酔っていた。

 郿塢(びう)――

 そこは、長安より百余里の郊外で、山紫水明の地だった。董卓は、地を(ぼく)して、王城をもしのぐ大築城を営み、百門の内には金玉(きんぎょく)の殿舎楼台を建てつらね、ここに二十年の兵糧を貯え、十五から二十歳ぐらいまでの美女八百余人を選んで後宮(こうきゅう)に入れ、天下の重宝を山のごとく集めた。

 そして、(はばか)りもなく、常にいうことには、


「もし、わが事が成就すれば、天下を取るであろう。事成らざる時は、この郿塢城(びうじょう)に在って、悠々(ゆうゆう)老いを養うのみだ」

――と。

 明らかに、大逆の言だ。

 けれど、こういう威勢に対しては、誰もそれをそれという者もない。

 地に拝伏して、ただ(めい)をおそれる者――それが公卿百官であった。 こうして、彼は、自分の一族を郿塢城において、半月に一度か月一度ぐらいずつ、長安へ出仕していた。

 沿道百余里、(ちり)をもおそれ、(しゃ)を掃き、幕をひき、民家は炊煙も()って、ただただ彼の車蓋の珠簾(じゅれん)とおびただしい兵馬鉄槍が事なく通過するのみを(いの)った。

 その日、朝廷の宴楽台(えんがくだい)に、酒宴があった。公卿百官は、宴に蝟集(いしゅう)された。すると、酒もたけなわの頃、どこからか、呂布(りょふ)があわただしく帰って来て、


「失礼します」


 と、董卓のそばへ行って、その耳元へなにやらささやいた。

 満座は皆、杯もわすれて、その二人へ、神経をとがらしていた。

 ――と、董卓は、うなずいていたが、呂布へ向って低声(こごえ)に命じた。


「逃がすなよ」


 呂布は、一礼して、そこを離れたと見ると、無気味な眼を光らして、百官のあいだを、のそのそと歩いて来た。


「おい。ちょっと立て」


 呂布の腕が伸びた。

 酒宴の上席のほうにいた司空(しくう)張温(ちょううん)(もとどり)を、いきなりひッ掴んだのである。


「あッ、な、なにを」


 張温の席が鳴った。

 満座、(いろ)()めて、どうなることかと見ているまに、


「やかましい」


 呂布は、その怪力で、鳩でも掴むように、無造作に、彼の身を堂の外へ持って行ってしまった。

 しばらくすると、一人の料理人が、大きな盤に、異様な料理を捧げて来て、真ん中の卓においた。

 見ると、盤に盛ってある物は、たった今、呂布に掴み出されて行った張温の首だったので、朝廷の諸臣は、みなふるえあがってしまった。

 董卓(とうたく)は、笑いながら、


「呂布を呼んでくれ」

 呂布は、悠々、姿をあらわして、彼の側に侍立(じりつ)した。


「御用は」

「いや、そちの料理が、少し新鮮すぎたので、諸卿みな杯を休めてしまった。安心して飲めとお前からいってやれ」


 呂布は満座の蒼白い顔に向って、傲然(ごうぜん)と、演説した。


「諸公。もう今日の余興はすみました。杯をお挙げなさい。おそらく張温のほかに、それがしの料理をわずらわすようなお方はこの中にはおらんでしょう。――おらない筈と信じる」


 彼が、結ぶと、董卓もまた、その肥満した体躯を、ゆらりと上げて云った。


「張温を(ちゅう)したのは、ゆえなきことではない。彼は、私に叛いて、南陽の袁術と、ひそかに通謀したからだ。天罰といおうか、袁術の使いが密書を持って、過って呂布の家へそれを届けてきたのじゃ。――で彼の三族も、今し方、残らず刑に処し終った。汝ら朝臣も、このよい実例を、しかと見ておくがよい」


 宴は、早めに終った。

 さすが長夜の宴もなお足らないとする百官も、この日は皆、匆々(そうそう)に立ち戻り、一人として、酔った顔も見えなかった。

 中でも司徒王允(おういん)は、わが家へ帰る車のうちでも、董卓の悪行や、朝廟(ちょうびょう)(みだ)れを、つくづく思い()めて、


「ああ。……ああ」


 歎息ばかり洩らしていた。

 (やかた)に帰っても、憤念のつかえと、不快な懊悩(おうのう)は去らなかった。

 折ふし、宵月が出たので、彼は気をあらためようと、杖をひいて、後園を歩いてみたが、なお、胸のつかえがとれないので、山吹(やまぶき)の花の乱れ咲いている池畔へかがみこんで、きょうの酒をみな吐いてしまった。

 そして、冷たい額に手をあてながら、しばらく月を仰ぎ、瞑目(めいもく)していると、どこからか春雨の(むせ)ぶがようなすすり泣きの声がふと聞えた。


「……誰か?」

 王允は見まわした。

 池の彼方に、水へ臨んでいる牡丹亭(ぼたんてい)がある。月は(ひさし)に映じ窓にはかすかな灯が揺れている。


貂蝉(ちょうせん)ではないか。……なにをひとりで泣いているのだ」


 近づいて、彼は、そっと声をかけた。

 貂蝉は、芳紀(とし)十八、その天性の麗わしさは、この後園の芙蓉の花でも、桃李(とうり)の色香でも、彼女の美には競えなかった。

 まだ母の乳も恋しい幼い頃から、彼女は生みの親を知らなかった。襁褓(むつき)の籠と共に、市に売られていたのである。王允は、その幼少に求めてわが家に養い、珠をみがくように諸芸を仕込んで楽女(がくじょ)とした。

 薄命な貂蝉(ちょうせん)はよくその恩を知っていた。王允もわが子のごとく愛しているが、彼女も聡明で、よく情に感じる性質であった。


 楽女とは、高官の邸に飼われて、賓客のあるごとに、宴にはべって歌舞吹弾(かぶすいだん)する賤女(せんじょ)をいう。

 けれど、王允(おういん)と、貂蝉(ちょうせん)とは、その愛情においては、主従というよりも、養父と養女というよりも、なお、濃いものであった。


「貂蝉、風邪をひくといけないぞよ。……さ、おだまり、涙をお拭き。おまえも妙齢(としごろ)となったから、月を見ても花を見ても、泣きたくなるものとみえる。おまえくらいな妙齢は、羨ましいものだなあ」


「……なにを仰っしゃいます。そんな浮いた心で、貂蝉は悲しんでいるのではございません」


「では、なんで泣いていたのか」


「王允様がお可哀そうでならないから……つい泣いてしまったのです」

「わしが可哀そうで……?」


「ほんとに、お可哀そうだと思います」


「おまえに……おまえのような女子にも、それが分るか」


「分らないでどうしましょう……。そのおやつれよう。お(ぐし)も……めっきり白くなって」


「むむう」


 王允も、ほろりと、涙をながした。――泣くのをなだめていた彼のほうが、滂沱(ぼうだ)として、止まらない涙に当惑した。


「なにをいう。そ……そんなことはないよ。おまえの取りこし苦労じゃよ」


「いいえ、おかくしなさいますな。嬰児(あかご)の時から、王允様のお家に養われてきた私です。この頃の朝夕のご様子、いつも笑ったことのないお顔……。そして時折、ふかい嘆息を遊ばします。……もし」


 貂蝉(ちょうせん)は、彼の老いたる手に、(まぶた)を押しあてて云った。


「賤しい楽女のわたくし、お疑い遊ばすのも当り前でございますが、どうか、お胸の悩みを、打明けて下さいまし。……いいえ、それでは、(さか)しまでした。王允様のお胸を訊く前に、わたくしの本心から申さねばなりません。――私は常々、王允様のご恩を忘れたことはないのです。十八の年まで、(まこと)の親も及ばないほど愛して下さいました。歌吹(かすい)音楽のほか、人なみの学問から女の諸芸、学び得ないことはなに一つありませんでした。――みんな、あなた様のお情けにちりばめられた身の宝です。……これを、このご恩を、どうしてお(むく)いしたらよいか、貂蝉は、この(くち)や涙だけでは、それを申すにも足りません」


「…………」

「王允様。……仰っしゃって下さいませ。おそらく、あなたのお胸は、国家の大事を悩んでいらっしゃるのでございましょう。今の長安の有様を、憂い(わず)らっておいでなのでございましょう」


貂蝉(ちょうせん)


 急に涙を払って、王允は思わず、痛いほど彼女の手をにぎりしめた。


「うれしい! 貂蝉、よく云ってくれた。……それだけでも、王允はうれしい」


「私のこんな言葉だけで、王允様の深いお悩みは、どうしてとれましょう。――というて、男の身ならぬ貂蝉では、なんのお役にも立ちますまいし……。もし私が男であるならば、あなた様のために、生命を捨ててお(むく)いすることもできましょうに」


「いや、できる!」


 王允は、思わず、満身の声でいってしまった。

 杖をもって、大地を打ち、


「――ああ、知らなんだ。誰かまた知ろう。花園のうちに、回天の名珠をちりばめた誅悪(ちゅうあく)の利剣がひそんでいようとは」


 こういうと、王允は、彼女の手を取らんばかりに誘って、画閣の一室へ伴い、堂中に坐らせてその姿へ頓首再拝(とんしゅさいはい)した。

 貂蝉は、驚いて、


「王允様。何をなさいますか、もったいない」


 あわてて(くだ)ろうとすると、王允は、その(もすそ)を抑えて云った。


「貂蝉。おまえに礼をほどこしたのではない。漢の天下を救ってくれる天人(てんじん)を拝したのだ。……貂蝉よ、世のために、おまえは生命をすててくれるか」


 貂蝉は、さわぐ色もなく、すぐ答えた。


「はい。王允様のおたのみなら、いつでもこの生命は捧げます」


 王允は、座を正して、


「では、おまえの真心を見込んで頼みたいことがあるが」


「なんですか」


董卓(とうたく)を殺さねばならん」


「…………」


「彼を除かなければ、漢室の天子はあってもないのと同じだ」


「…………」


「百姓万民の塗炭(とたん)の苦しみも永劫(えいごう)に救われはしない……貂蝉」


「はい」


「おまえも薄々は、今の朝廷の累卵(るいらん)の危うさや、諸民の怨嗟(えんさ)は、聞いてもいるだろう」


「ええ」


 貂蝉(ちょうせん)は、目瞬(まばた)きもせず、彼の吐きだす熱い言々を聞き入っていた。


「――が、董卓を殺そうとして、効を奏した者は、きょうまで一人としてない。かえって皆、彼のために殺し尽されているのだ」


「…………」


「要心ぶかい。十重二十重(とえはたえ)の警固がゆき届いている。また、あらゆる密偵が網の目のように光っている。しかも、智謀無類の李儒(りじゅ)が側にいるし、武勇無双の呂布(りょふ)が守っている」


「…………」


「それを殺さんには……。天下の精兵を以てしても足らない。……貂蝉。ただ、おまえのその(かいな)のみがなし得る」


「……どうして、私に?」


「まず、おまえの身を、呂布に与えると(あざむ)いて、わざと、董卓のほうへおまえを贈る」


「…………」


 さすがに、貂蝉の顔は、そう聞くと、梨の花みたいに蒼白(あおじろ)く冴えた。


「わしの見るところでは、呂布も董卓も、共に色に溺れ酒に(ふけ)荒淫(こういん)(たち)だ。――おまえを見て心を動かさないはずはない。呂布の上に董卓あり、董卓の側に呂布のついているうちは、到底、彼らを亡ぼすことは(むずか)しい。まずそうして、二人を()き、二人を争わせることが、彼らを滅亡へひき入れる第一の策だが……貂蝉、おまえはその体を犠牲(いけにえ)にささげてくれるか」


 貂蝉は、ちょっと、うつ向いた。珠のような涙が(ゆか)に落ちた。――が、やがて面を上げると、


「いたします」


 きっぱりいった。

 そしてまた、

「もし、仕損じたら、わたしは、笑って白刃の中に死にます。世々ふたたび人間の身をうけては生れてきません」

 と、覚悟のほどを示した。


 数日の後。

 王允(おういん)は、秘蔵の黄金冠(おうごんかん)を、七宝(しっぽう)をもって飾らせ、音物(いんもつ)として、使者に持たせ、呂布の私邸へ贈り届けた。

 呂布は、驚喜した。


「あの家には、古来から名剣宝珠が多く伝わっているとは聞いたが、洛陽から遷都(せんと)して来た後も、まだこんな佳品があったのか」


 彼は、武勇絶倫(ぜつりん)だが、単純な男である。歓びの余り、例の赤兎馬(せきとば)に乗って、さっそく王允の家へやってきた。

 王允は、あらかじめ、彼が必ず答礼に来ることを察していたので、歓待の準備に手ぬかりはなかった。


「おう、これはこれは、ようこそお出でくだされた」

 と、自身、中門まで出迎えて、下へも置かぬもてなしを示し、堂上に(しょう)じて、呂布を(うやま)い拝した。

 王允(おういん)は、一家を挙げて、彼のためにもてなした。

 善美の饗膳(きょうぜん)を前に、呂布は、手に玉杯をあげながら主人へ云った。


「自分は、董太師(とうたいし)に仕える一将にすぎない。あなたは朝廷の大臣で、しかも名望ある家の主人だ。一体、なんでこんなに鄭重(ていちょう)になさるのか」


「これは異なお(たず)ねじゃ」


 王允は、酒をすすめながら、


「将軍を饗するのは、その官爵を敬うのではありません。わしは日頃からひそかに、将軍の才徳と、武勇を尊敬しておるので、その人間を愛するからです」


「いや、これはどうも」
 と、呂布は、機嫌のよい顔に、そろそろ微紅(びこう)を呈して、
「自分のようながさつ者を、大官が、そんなに評価していて下さろうとは思わなかった。身の面目というものだ」
「いやいや、計らずも、お訪ねを給わって、名馬赤兎を、わが邸の門につないだだけでも、王允一家の面目というものです。――これ、将軍へ、お杯をおすすめしないか」

 彼は、ことばをかえて、室内に連環(れんかん)して立っている給仕の侍女たちへ、いった。

 そして、その中の一名を、眼で招いて、


「めったにお越しのない将軍のお訪ね下すったことだ。貂蝉(ちょうせん)にもこれへ来て、ちょっと、ごあいさつをするがよいといえ」


 と、小声でいいつけた。

「はい」

 侍女は、退がって行った。間もなく、室の外に、楚々(そそ)たる気はいがして、侍立の女子が、(とばり)をあげた。客の呂布は、杯をおいて、誰がはいって来るかと、眸を向けていた。

 侍女(こしもと)ふたりに左右から扶けられて、歩々、牡丹の大輪が、かすかな風をも怖がるように、それへはいって来た麗人がある。

 楽女(がくじょ)貂蝉(ちょうせん)であった。


「……いらっしゃいませ」


 貂蝉は、客のほうへ、わずかに眼を向けて、(しとや)かにあいさつした。雲鬢(うんぴん)重たげに、呂布の眼を羞恥(はじ)らいながら、王允の蔭へ、隠れてしまいたそうにすり寄っている。


「……?」


 呂布は、恍惚とながめていた。

 王允は、自分の前の杯を、貂蝉にもたせて云った。


「おまえの名誉にもなる。将軍へ杯をさしあげて、おながれをいただくがよい」


 貂蝉は、うなずいて、呂布のまえへ進みかけたが、ちらと、彼の視線に会うと、眼もとに、まばゆげな(くれない)をたたえ、遠くからそっと、真白な繊手(せんしゅ)へ、翡翠(ひすい)の杯をのせて、小声で、


「……どうぞ」


 といった。

「や。これは」


 呂布は、われに返ったように、その杯を持った。――なんたる可憐(かれん)

 貂蝉は、すぐ退がって、(とばり)の外へ隠れかけた。呂布はまだ、手の杯を、(くち)にもしない。――彼女がそのまま去るのを残り惜しげに、眼も離たずにいた。酒を干すいとますらない眼であった。その様子を王允は見つめていた。


「貂蝉。――お待ち」


 王允は、彼女を呼びとめて、客の呂布と等分に眺めながら云った。


「こちらにいらっしゃる呂将軍は、わしが日頃、敬愛するお方だし、わが一家の恩人でもある。――おゆるしをうけて、そのままお側におるがよい。充分に、おもてなしをなさい」


「……はい」


 貂蝉は、素直に、客のそばに侍した。

「ご主人。この麗人は、当家のご息女ですか」


「いいえ、赤子の頃引き取ったのですが、娘同然に育てました。貂蝉というものです」


「そのようなことが、しかしお美しい」


「まだ、まったく世間を知りませんし、また、家の客へも、めったに出たこともありませんから」


「そんな深窓(しんそう)の女性を、きょうは呂布のために」


「一家の者が、こんなにまで、あなたのご来訪を、歓んでいるということを、お酌み下されば倖せです」


「いや、ご歓待は、充分にうけた。なんだかもう、酒もそうは飲めない。大官、呂布は酔いましたよ」


「まだよろしいでしょう。貂蝉、おすすめしないか」


 貂蝉は、ほどよく、彼に杯をすすめ、呂布もだんだん酔眼になってきた。呂布は、帰るといって立ちかけたが、なお、貂蝉の美しさを、くり返して(たた)えた。

 王允は、そっと、彼の肩へ寄ってささやいた。


「おのぞみならば、貂蝉を将軍へさしあげてもよいが」


「えっ。貂蝉を。……大官、それはほんとですか」


「なんで偽りを」


「もし、貂蝉を、この呂布へ賜うならば、呂布はお家のために、犬馬の労を誓うでしょう」


「近い内に、吉日を選んで、将軍の室へ送ることを約します。……貂蝉も、今夜の様子では、たいへん将軍が気になっているようですから」


「本当に、これは間違いはないでしょうな」


 呂布は、恩を拝謝し、また、何度もくどいほど、念を押してようやく帰った。

 王允は、後で、


「……ああ、これで一方は、まずうまく行った。貂蝉、頼んだぞ」
 と、彼女へ云った。
「はい」
 うなずいた。

 次の日、彼は、(ちょう)に出仕して、呂布がいないのを確認して、そっと董卓の閣へ行って、まずその座下に拝跪(はいき)した。


「毎日のご政務、太師にもさぞおつかれと存じます。郿塢城(びうじょう)へお還りある日は、満城を挙げて、お慰みを捧げましょうが、また時には、茅屋(ぼうおく)の粗宴も、お気が変って、かえってお慰みになるかと思われます。――そんなつもりで実は、小館にいささか酒宴の支度を設けました。もし()()げていただければ、一家のよろこびこれにすぎたるものはありませんが」


 と、彼の遊意を誘った。

 聞くと、董卓は、


「なに、わしを貴邸へ招いてくれるというのか。それは近頃、歓ばしいことである。(けい)は国家の元老、特にこの董卓を招かるるに、なんで芳志にそむこう」


 と、非常な喜色で、


「――ぜひ、明日行こう」
 と、諾した。

「お待ちいたします」


 王允(おういん)は、家に帰ると、この由を、ひそかに貂蝉にささやき、また家人にも、


「明日は()(こく)に、董太師がお越しになる。一家の名誉だし、わし一代のお客だ。必ず粗相(そそう)のないように」
 と、督して、地には青砂をしき、(しょう)には錦繍(きんしゅう)をのべ、正堂の内外には、(とばり)や幕をめぐらし、家宝の珍什(ちんじゅう)を出して、饗応の善美をこらしていた。

 次の日。――やがて巳の刻に至ると、


大賓(たいひん)のお車が見えました」

 と、家僕が内へ報じる。

 王允は、朝服をまとって、すぐ門外へ出迎えた。

 ――見れば、太師董卓(とうたく)の車は、(ほこ)を持った数百名の衛兵にかこまれ、行装の絢爛(けんらん)は、天子の儀仗もあざむくばかりで、車簾(しゃれん)を出ると、たちまち、侍臣、秘書、幕側の力者(りきしゃ)などに、左右前後を護られて、佩環(はいかん)のひびき玉沓(ぎょくとう)の音、簇擁(ぞくよう)して門内へ入った。

「ようおいでを賜わりました。きょうはわが王家の棟に、紫雲(しうん)の降りたような光栄を覚えまする」


 王允は、董太師を、高座に迎えて、最大の礼を尽した。

 董卓も、全家の歓待に、大満足な様子で、


「主人は、わが傍らにあがるがよい」

 と、席をゆるした。

 やがて、嚠喨(りゅうりょう)たる奏楽と共に、盛宴の(とばり)は開かれた。酒泉を汲みあう客たちの瑠璃杯(るりはい)に、薫々(くんくん)夜虹(やこう)は堂中の歓語笑声をつらぬいて、座上はようやく杯盤狼藉(はいばんろうぜき)となり、楽人楽器を擁してあらわれ、騒客(そうかく)杯を挙げて歌舞し、眼も(あや)に耳も(ろう)せんばかりであった。

「こよいは、星の色までが、美しく見えます。これはわが家の秘蔵する長寿酒です。太師の寿を万代にと、初めて(へい)をひらきました」



「やあ、ありがとう」


 毒味役が試した後、董卓は飲んだ。


「こう歓待されては、何を以て司徒の好意にむくいてよいか分らんな」


「私の願うようになれば私は満足です。――私は幼少から天文が好きで、いささか天文を学んでおりますが、毎夜、天象を見ておるのに、漢室の運気はすでに尽きて、天下は新たに起ろうとしています。太師の徳望は、今や巍々(ぎぎ)たるものですから、(いにしえ)(しゅん)(ぎょう)を受けたように、()が舜の世を継いだように、太師がお立ちになれば、もう天下の人心は、自然、それにしたがうだろうと思います」


「いや、いや。そんなことは、まだわしは考えておらんよ」


「天下は一人のひとの天下ではありません。天下のひとの天下です。徳なきは徳あるに譲る。これはわが朝のしきたりです。()(さだ)まれば、誰も叛逆とはいいません」


「ははははは。もし董卓に天運が恵まれたら、司徒、おん身も重く用いてやるぞ」


「時節をお待ちします」


 王允は再拝した。

 とたんに、堂中の燭はいっぺんに(とも)って、白日のようになった。そして正面の(すだれ)がまかれると、教坊の楽女たちが美音をそろえて歌いだし、糸竹管弦(しちくかんげん)(たえ)な音にあわせて、楽女(がくじょ)貂蝉(ちょうせん)が、袖をひるがえして舞っていた。

 客もなく、主もなく、また天下の何者もなく、貂蝉(ちょうせん)のひとみは、ただ舞うことに、澄みかがやいていた。

 舞う――舞う――貂蝉は袖をひるがえして舞う。教坊の奏曲は、彼女のために、糸竹と管弦の(わざ)をこらし、人を酔わしめずにおかなかった。


「ウーム、結構だった」


 董卓は、うめいていたが、一曲終ると、


「もう一曲」

 と、望んだ。

 貂蝉が再び起つと、教坊の楽手は、さらに粋を競って弾じ、彼女は、舞いながら哀々(あいあい)と歌い出した。


紅牙(コウガ)催拍(サイハク)シテ燕ノ飛ブコト(セワ)

一片ノ行雲(コウウン)画堂(ガドウ)ニ到ル

眉黛(ビタイ)(モヨオ)シテ成ス遊子ノ恨ミ

臉容(レンヨウ)(ハジ)メテ故人ノ(ハラワタ)ヲ断ツ

楡銭(ユセン)買ワズ千金ノ笑

柳帯(リュウタイ)ナンゾ用イン百宝ノ(ヨソオ)

(マイ)()(レン)ヲ隔テテ目送スレバ

知ラズ誰カコレ()襄王(ジョウオウ)


 眼を貂蝉のすがたにすえ、歌詞に耳をすましていた董卓は、彼女の歌舞が終るなり、感極まった様子(ようす)で、王允へ云った。


(あるじ)。あの女性は、いったいなにものか。どうも、ただの教坊の(おんな)でもなさそうだが」


「お気に召しましたか。当家の楽女、貂蝉(ちょうせん)というものですが」


「そうか。呼んでくれぬか」
 と、斜めならぬ機嫌である。
「貂蝉、おいで」

 王允は、さし招いた。

 貂蝉は、それへ来て、ただ羞恥(はじら)っていた。董卓は、杯を与えて、


幾歳(いくつ)か」
 と、訊いた。

「十八でございます」


「いい声だの。すがたも、舞もよいが。……(あるじ)、もう一度、歌わせてくれないか」


「貂蝉。あのように、今夜の大賓が、求めていらっしゃる。なんぞもう一曲……お聴きしていただくがよい」


「はい」


 貂蝉は、素直にうなずいて、檀板(だんばん)を手に――こんどはやや低い調子で――客のすぐ前にあって歌った。


一点ノ桜桃絳唇(コウシン)(ヒラ)

両行(リョウコウ)砕玉(サイギョク)陽春ヲ()

丁香(チョウコウ)ノ舌ハシュン鋼ノ剣ヲ吐キ

姦邪(カンジャ)乱国(ランゴク)ノ臣ヲ斬ラント要ス


「いや、おもしろい」


 董卓は、手をたたいた。

 前に歌った歌詞は自分を讃美していたので、今の歌が自分をさして暗に姦邪(かんじゃ)乱国(らんごく)の臣としているのも、気づかなかった。


「神仙の仙女とは、実に、この貂蝉のようなのをいうのだろうな。いま、郿塢城(びうじょう)にもあまた佳麗はいるが、貂蝉のようなのはいない。もし貂蝉が一笑したら、長安の粉黛(ふんたい)はみな色を消すだろう」


「太師には、そんなにまで、貂蝉がお気に入りましたか」


「む……。私は、真の美人というものを、今夜初めて見たここちがする」


「献じましょう。貂蝉も、太師に愛していただければ、無上の幸せでありましょうから」


「え。この美人を、わしに賜わるというのか」


「お帰りの車の内に入れてお連れください。――そういえば、夜も更けましたから、相府(しょうふ)のご門前までお送りしましょう」


「そうかそうか――王允、ではこの美女は、氈車(せんしゃ)に乗せて連れ帰るぞ」


 董卓は、ほとんど、その満足をあらわす言葉も知らないほど歓んで、貂蝉(ちょうせん)を擁して、車へ移った。


 王允は、心のうちで、しすましたりと思いながら、貂蝉と董卓の車を丞相府(じょうしょうふ)まで送って行った。


「……では」
 と、そこの門で、董卓に暇を乞うていると、ふと、氈車(せんしゃ)の内から、貂蝉のひとみが、じっと、自分へ、無言の別れを告げているのに気づいた。

「では、これにて」


 王允は、もういっぺん、くり返して云った。それは貂蝉へ、それとなく返した言葉であった。

 貂蝉のひとみは、涙でいっぱいに見えた。王允も、胸がせまって、長くいられなかった。

 あわてて彼は、わが家のほうへ引っ返してきた。すると、彼方の闇から、二列に松明(たいまつ)の火を連ね、深夜を戛々(かつかつ)と急いでくる騎馬の一隊がある。

 近づいてくると、その先頭には赤兎馬に踏みまたがった呂布(りょふ)の姿が見えた。――はっと思うまもなく、呂布は、王允の姿を見つけて、


「おのれ、今帰るか」


 と、馬上から猿臂(えんぴ)を伸ばして、王允の襟がみをつかみ大の(まなこ)をいからして、


「よくも汝は、先日、貂蝉をこの呂布に与えると約束しておきながら、こよい董太師に供えてしまいおったな。憎いやつめ。おれを小児のようにもてあそぶか」

 と、どなった。

 王允は、騒ぐ色もなく、

「どうして将軍は、そんなことをもうご存じなのか。まあ、待ち給え」

 と、なだめた。

 呂布は、なお怒って、

「今、わが邸へ、董太師が美女をのせて、相府へ帰られたと、告げて来た者があるのだ。そんなことが知れずにいると思うのか。この二股膏薬(ふたまたこうやく)め。八ツ裂きにしてくれるから覚えておれよ」


 と、従う武士にいいつけて、はや引ったてようとした。

 王允は、手をあげて、


「はやまり給うな将軍。あれほど固く約したこの王允を、なにとて、お疑いあるぞ」


「やあ、まだ()かすか」


「ともあれ、もう一度邸へお越しください。ここではお話もしにくいから」


「そうそう何度も、貴様の舌には(あざむ)かれぬぞ」


「その上でなお、お合点がゆかなかったら、即座に、王允の首をお持ち帰りください」


「よしっ、行ってやる」


 呂布は彼について行った。

 密室に通して、王允は、


「――実はこよい、酒宴の果てた後で、董太師が興じて仰せられるには、そちは近頃、呂布へ貂蝉を与える約束をした由だが、その女性を、ひとまず私が手許へあずけて置け。そして吉日を(ぼく)して大いに自分が盛宴を設け、不意に、呂布と(めあ)わせて、やんやと、酒席の興にして、大いに笑い祝す趣向とするから。――と、かような言葉なのでした」


「えっ。……では、董太師が、おれの艶福をからかう心算(つもり)で、つれておいでになったのか」


「そうです。将軍のてれる顔を酒宴で見て、手を叩こうという、お考えだと仰っしゃるのです。――で、折角の尊命をそむくわけにも参りませんから、貂蝉をおあずけした次第です」


「いや、それはどうも」
 と、呂布は、頭をかいて、

「軽々しく、司徒を疑って、何とも申しわけがない。こよいの罪は、万死に値するが、どうかゆるしてくれい」


「いや、お疑いさえ解ければ、それでいい。必ず近日のうちに、将軍の艶福のために、盛宴が張られましょう。貂蝉もさだめし待っておりましょう。いずれ彼女(あれ)の歌舞の衣裳、化粧道具など一切もお手許のほうへ送らせることといたします」


 呂布は、そう聞くと、三拝して、立帰った。


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登場人物紹介

劉備玄徳

劉備玄徳

ひげ

劉備玄徳

劉備玄徳

諸葛孔明《しょかつこうめい》

張飛

張飛

髭あり

張飛

関羽

関羽


関平《かんぺい》

関羽の養子

趙雲

趙雲

張雲

黄忠《こうちゅう》

魏延《ぎえん》

馬超

厳顔《げんがん》

劉璋配下から劉備配下

龐統《ほうとう》

糜竺《びじく》

陶謙配下

後劉備の配下

糜芳《びほう》

糜竺《びじく》の弟

孫乾《そんけん》

陶謙配下

後劉備の配下

陳珪《ちんけい》

陳登の父親

陳登《ちんとう》

陶謙の配下から劉備の配下へ、

曹豹《そうひょう》

劉備の配下だったが、酒に酔った張飛に殴られ裏切る

周倉《しゅうそう》

もと黄巾の張宝《ちょうほう》の配下

関羽に仕える

劉辟《りゅうへき》

簡雍《かんよう》

劉備の配下

馬良《ばりょう》

劉備の配下

伊籍《いせき》

法正

劉璋配下

のち劉備配下

劉封

劉備の養子

孟達

劉璋配下

のち劉備配下

商人

宿屋の主人

馬元義

甘洪

李朱氾

黄巾族

老僧

芙蓉

芙蓉

糜夫人《びふじん》

甘夫人


劉備の母

劉備の母

役人


劉焉

幽州太守

張世平

商人

義軍

部下

黄巾族

程遠志

鄒靖

青州太守タイシュ龔景キョウケイ

盧植

朱雋

曹操

曹操

やけど

曹操

曹操


若い頃の曹操

曹丕《そうひ》

曹丕《そうひ》

曹嵩

曹操の父

曹洪


曹洪


曹徳

曹操の弟

曹仁

曹純

曹洪の弟

司馬懿《しばい》仲達《ちゅうたつ》

曹操配下


楽進

楽進

夏侯惇

夏侯惇《かこうじゅん》

夏侯惇

曹操の配下

左目を曹性に射られる。

夏侯惇

曹操の配下

左目を曹性に射られる。

韓浩《かんこう》

曹操配下

夏侯淵

夏侯淵《かこうえん》

典韋《てんい》

曹操の配下

悪来と言うあだ名で呼ばれる

劉曄《りゅうよう》

曹操配下

李典

曹操の配下

荀彧《じゅんいく》

曹操の配下

荀攸《じゅんゆう》

曹操の配下

許褚《きょちょ》

曹操の配下

許褚《きょちょ》

曹操の配下

徐晃《じょこう》

楊奉の配下、後曹操に仕える

史渙《しかん》

徐晃《じょこう》の部下

満寵《まんちょう》

曹操の配下

郭嘉《かくか》

曹操の配下

曹安民《そうあんみん》

曹操の甥

曹昂《そうこう》

曹操の長男

于禁《うきん》

曹操の配下

王垢《おうこう》

曹操の配下、糧米総官

程昱《ていいく》

曹操の配下

呂虔《りょけん》

曹操の配下

王必《おうひつ》

曹操の配下

車冑《しゃちゅう》

曹操の配下、一時的に徐州の太守

孔融《こうゆう》

曹操配下

劉岱《りゅうたい》

曹操配下

王忠《おうちゅう》

曹操配下

張遼

呂布の配下から曹操の配下へ

張遼

蒋幹《しょうかん》

曹操配下、周瑜と学友

張郃《ちょうこう》

袁紹の配下

賈詡

賈詡《かく》

董卓

李儒

董卓の懐刀

李粛

呂布を裏切らせる

華雄

胡軫

周毖

李傕

李別《りべつ》

李傕の甥

楊奉

李傕の配下、反乱を企むが失敗し逃走

韓暹《かんせん》

宋果《そうか》

李傕の配下、反乱を企むが失敗

郭汜《かくし》

郭汜夫人

樊稠《はんちゅう》

張済

張繍《ちょうしゅう》

張済《ちょうさい》の甥

胡車児《こしゃじ》

張繍《ちょうしゅう》配下

楊彪

董卓の長安遷都に反対

楊彪《ようひょう》の妻

黄琬

董卓の長安遷都に反対

荀爽

董卓の長安遷都に反対

伍瓊

董卓の長安遷都に反対

趙岑

長安までの殿軍を指揮

徐栄

張温

張宝

孫堅

呉郡富春(浙江省・富陽市)の出で、孫子の子孫

孫静

孫堅の弟

孫策

孫堅の長男

孫権《そんけん》

孫権

孫権

孫堅の次男

朱治《しゅち》

孫堅の配下

呂範《りょはん》

袁術の配下、孫策に力を貸し配下になる

周瑜《しゅうゆ》

孫策の配下

周瑜《しゅうゆ》

周瑜

張紘

孫策の配下

二張の一人

張昭

孫策の配下

二張の一人

蒋欽《しょうきん》

湖賊だったが孫策の配下へ

周泰《しゅうたい》

湖賊だったが孫策の配下へ

周泰《しゅうたい》

孫権を守って傷を負った

陳武《ちんぶ》

孫策の部下

太史慈《たいしじ》

劉繇《りゅうよう》配下、後、孫策配下


元代

孫策の配下

祖茂

孫堅の配下

程普

孫堅の配下

程普

孫堅の配下

韓当

孫堅の配下

黄蓋

孫堅の部下

黄蓋《こうがい》

桓楷《かんかい》

孫堅の部下


魯粛《ろしゅく》

孫権配下

諸葛瑾《しょかつきん》

諸葛孔明《しょかつこうめい》の兄

孫権の配下


呂蒙《りょもう》

孫権配下

虞翻《ぐほん》

王朗の配下、後、孫策の配下

甘寧《かんねい》

劉表の元にいたが、重く用いられず、孫権の元へ

甘寧《かんねい》

凌統《りょうとう》

凌統《りょうとう》

孫権配下


陸遜《りくそん》

孫権配下

張均

督郵

霊帝

劉恢

何進

何后

潘隠

何進に通じている禁門の武官

袁紹

袁紹

劉《りゅう》夫人

袁譚《えんたん》

袁紹の嫡男

袁尚《えんしょう》

袁紹の三男

高幹

袁紹の甥

顔良

顔良

文醜

兪渉

逢紀

冀州を狙い策をねる。

麹義

田豊

審配

袁紹の配下

沮授《そじゅ》

袁紹配下

郭図《かくと》

袁紹配下


高覧《こうらん》

袁紹の配下

淳于瓊《じゅんうけい》

袁紹の配下

酒が好き

袁術

袁胤《えんいん》

袁術の甥

紀霊《きれい》

袁術の配下

荀正

袁術の配下

楊大将《ようたいしょう》

袁術の配下

韓胤《かんいん》

袁術の配下

閻象《えんしょう》

袁術配下

韓馥

冀州の牧

耿武

袁紹を国に迎え入れることを反対した人物。

鄭泰

張譲

陳留王

董卓により献帝となる。

献帝

献帝

伏皇后《ふくこうごう》

伏完《ふくかん》

伏皇后の父

楊琦《ようき》

侍中郎《じちゅうろう》

皇甫酈《こうほれき》

董昭《とうしょう》

董貴妃

献帝の妻、董昭の娘

王子服《おうじふく》

董承《とうじょう》の親友

馬騰《ばとう》

西涼の太守

崔毅

閔貢

鮑信

鮑忠

丁原

呂布


呂布

呂布

呂布

厳氏

呂布の正妻

陳宮

高順

呂布の配下

郝萌《かくほう》

呂布配下

曹性

呂布の配下

夏侯惇の目を射った人

宋憲

呂布の配下

侯成《こうせい》

呂布の配下


魏続《ぎぞく》

呂布の配下

王允

貂蝉《ちょうせん》

孫瑞《そんずい》

王允の仲間、董卓の暗殺を謀る

皇甫嵩《こうほすう》

丁管

越騎校尉の伍俘

橋玄

許子将

呂伯奢

衛弘

公孫瓉

北平の太守

公孫越

王匡

方悦

劉表

蔡夫人

劉琦《りゅうき》

劉表の長男

劉琦《りゅうき》

劉表の長男

蒯良

劉表配下

蒯越《かいえつ》

劉表配下、蒯良の弟

黄祖

劉表配下

黄祖

陳生

劉表配下

張虎

劉表配下


蔡瑁《さいぼう》

劉表配下

呂公《りょこう》

劉表の配下

韓嵩《かんすう》

劉表の配下

牛輔

金を持って逃げようとして胡赤児《こせきじ》に殺される

胡赤児《こせきじ》

牛輔を殺し金を奪い、呂布に降伏するも呂布に殺される。

韓遂《かんすい》

并州《へいしゅう》の刺史《しし》

西涼の太守|馬騰《ばとう》と共に長安をせめる。

陶謙《とうけん》

徐州《じょしゅう》の太守

張闓《ちょうがい》

元黄巾族の陶謙の配下

何曼《かまん》

截天夜叉《せってんやしゃ》

黄巾の残党

何儀《かぎ》

黄巾の残党

田氏

濮陽《ぼくよう》の富豪

劉繇《りゅうよう》

楊州の刺史

張英

劉繇《りゅうよう》の配下


王朗《おうろう》

厳白虎《げんぱくこ》

東呉《とうご》の徳王《とくおう》と称す

厳与《げんよ》

厳白虎の弟

華陀《かだ》

医者

鄒氏《すうし》

未亡人

徐璆《じょきゅう》

袁術の甥、袁胤《えんいん》をとらえ、玉璽を曹操に送った

鄭玄《ていげん》

禰衡《ねいこう》

吉平

医者

慶童《けいどう》

董承の元で働く奴隷

陳震《ちんしん》

袁紹配下

龔都《きょうと》

郭常《かくじょう》

郭常《かくじょう》の、のら息子

裴元紹《はいげんしょう》

黄巾の残党

関定《かんてい》

許攸《きょゆう》

袁紹の配下であったが、曹操の配下へ

辛評《しんひょう》

辛毘《しんび》の兄

辛毘《しんび》

辛評《しんひょう》の弟

袁譚《えんたん》の配下、後、曹操の配下

呂曠《りょこう》

呂翔《りょしょう》の兄

呂翔《りょしょう》

呂曠《りょこう》の弟


李孚《りふ》

袁尚配下

王修

田疇《でんちゅう》

元袁紹の部下

公孫康《こうそんこう》

文聘《ぶんぺい》

劉表配下

王威

劉表配下

司馬徽《しばき》

道号を水鏡《すいきょう》先生

徐庶《じょしょ》

単福と名乗る

劉泌《りゅうひつ》

徐庶の母

崔州平《さいしゅうへい》

孔明の友人

諸葛均《しょかつきん》

石広元《せきこうげん》

孟公威《もうこうい》

媯覧《ぎらん》

戴員《たいいん》

孫翊《そんよく》

徐氏《じょし》

辺洪

陳就《ちんじゅ》

郄慮《げきりょ》

劉琮《りゅうそう》

劉表次男

李珪《りけい》

王粲《おうさん》

宋忠

淳于導《じゅんうどう》

曹仁《そうじん》の旗下《きか》

晏明

曹操配下

鍾縉《しょうしん》、鍾紳《しょうしん》

兄弟

夏侯覇《かこうは》

歩隲《ほしつ》

孫権配下

薛綜《せっそう》

孫権配下

厳畯《げんしゅん》

孫権配下


陸績《りくせき》

孫権の配下

程秉《ていへい》

孫権の配下

顧雍《こよう》

孫権配下

丁奉《ていほう》

孫権配下

徐盛《じょせい》

孫権配下

闞沢《かんたく》

孫権配下

蔡薫《さいくん》

蔡和《さいか》

蔡瑁の甥

蔡仲《さいちゅう》

蔡瑁の甥

毛玠《もうかい》

曹操配下

焦触《しょうしょく》

曹操配下

張南《ちょうなん》

曹操配下

馬延《ばえん》

曹操配下

張顗《ちょうぎ》

曹操配下

牛金《ぎゅうきん》

曹操配下


陳矯《ちんきょう》

曹操配下

劉度《りゅうど》

零陵の太守

劉延《りゅうえん》

劉度《りゅうど》の嫡子《ちゃくし》

邢道栄《けいどうえい》

劉度《りゅうど》配下

趙範《ちょうはん》

鮑龍《ほうりゅう》

陳応《ちんおう》

金旋《きんせん》

武陵城太守

鞏志《きょうし》

韓玄《かんげん》

長沙の太守

宋謙《そうけん》

孫権の配下

戈定《かてい》

戈定《かてい》の弟

張遼の馬飼《うまかい》

喬国老《きょうこくろう》

二喬の父

呉夫人

馬騰

献帝

韓遂《かんすい》

黄奎

曹操の配下


李春香《りしゅんこう》

黄奎《こうけい》の姪

陳群《ちんぐん》

曹操の配下

龐徳《ほうとく》

馬岱《ばたい》

鍾繇《しょうよう》

曹操配下

鍾進《しょうしん》

鍾繇《しょうよう》の弟

曹操配下

丁斐《ていひ》

夢梅《むばい》

許褚

楊秋

侯選

李湛

楊阜《ようふ》

張魯《ちょうろ》

張衛《ちょうえい》

閻圃《えんほ》

劉璋《りゅうしょう》

張松《ちょうしょう》

劉璋配下

黄権《こうけん》

劉璋配下

のち劉備配下

王累《おうるい》

王累《おうるい》

李恢《りかい》

劉璋配下

のち劉備配下

鄧賢《とうけん》

劉璋配下

張任《ちょうじん》

劉璋配下

周善

孫権配下


呉妹君《ごまいくん》

董昭《とうしょう》

曹操配下

楊懐《ようかい》

劉璋配下

高沛《こうはい》

劉璋配下

劉巴《りゅうは》

劉璋配下

劉璝《りゅうかい》

劉璋配下

張粛《ちょうしゅく》

張松の兄


冷苞

劉璋配下

呉懿《ごい》

劉璋の舅

彭義《ほうぎ》

鄭度《ていど》

劉璋配下

韋康《いこう》

姜叙《きょうじょ》

夏侯淵《かこうえん》

趙昂《ちょうこう》

楊柏《ようはく》

張魯配下

楊松

楊柏《ようはく》の兄

張魯配下

費観《ひかん》

劉璋配下

穆順《ぼくじゅん》

楊昂《ようこう》

楊任

崔琰《さいえん》

曹操配下


雷同

郭淮《かくわい》

曹操配下

霍峻《かくしゅん》

劉備配下

夏侯尚《かこうしょう》

曹操配下

夏侯徳

曹操配下

夏侯尚《かこうしょう》の兄

陳式《ちんしき》

劉備配下

杜襲《としゅう》

曹操配下

慕容烈《ぼようれつ》

曹操配下

焦炳《しょうへい》

曹操配下

張翼

劉備配下

王平

曹操配下であったが、劉備配下へ。

曹彰《そうしょう》

楊修《ようしゅう》

曹操配下

夏侯惇

費詩《ひし》

劉備配下

王甫《おうほ》

劉備配下

呂常《りょじょう》

曹操配下

董衡《とうこう》

曹操配下

李氏《りし》

龐徳の妻

成何《せいか》

曹操配下

蒋済《しょうさい》

曹操配下

傅士仁《ふしじん》

劉備配下

徐商

曹操配下


廖化

劉備配下

趙累《ちょうるい》

劉備配下

朱然《しゅぜん》

孫権配下


潘璋

孫権配下

左咸《さかん》

孫権配下

馬忠

孫権配下

許靖《きょせい》

劉備配下

華歆《かきん》

曹操配下

呉押獄《ごおうごく》

典獄

司馬孚《しばふ》

司馬懿《しばい》の弟

賈逵《かき》


曹植


卞氏《べんし》

申耽《しんたん》

孟達の部下

范疆《はんきょう》

張飛の配下

張達

張飛の配下


関興《かんこう》

関羽の息子

張苞《ちょうほう》

張飛の息子

趙咨《ちょうし》

孫権配下

邢貞《けいてい》

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